北海道ローカルバス周遊 2日目-2

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★深川中央病院1235→深川十字街1238
空知中央バス(和線) ¥160

 深川の中央街に到着。そのまま歩いてもいいのだが、せっかくなので2区間ほどバスに乗ってみることにする。やって来たバスは和線こと北竜温泉ゆき。和で「やわら」と読み、深川市北西の北竜町に向けて走る。かつては札沼線の和駅が昭和47年まで存在したが新十津川~石狩沼田の廃止により駅も廃止された。

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 目の前の深川駅。

 深川十字街は深川駅から100mと少し歩いた国道233号(本町通)上の十字路で、バス停の名前としてはまんまである。ここには通り上に交差点を挟んで2対、計4箇所のバス停がある。旭川に向かうバス停は交差点の旭川寄りにある。

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★深川十字街1250→高砂台入口1319
道北バス(留萌旭川線[56]) ¥670

 深川から旭川にバスで向かう方法は2通りあり、空知中央バスの深旭線と沿岸・道北バスの留萌~旭川線がある。前者は函館本線に沿って平地の真ん中を走る納内経由、後者は国道12号を忠実に走る音江経由となる。経路が異なるため、同じ旭川行きでありながら深川十字街のバス停が反対同士になっているのが面白い。
 先に来るのは道北バス担当の留萌旭川線のため、そちらのバス停で待っているとほぼ定時に現れた。観光バスタイプでちょっと豪華気分。道北バス扱いなので道北バスのカードも使えるようだ。なぜか系統番号も市内線に準じて[56]という番号がつけられている。

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 音江経由というだけあり、先ほど滝川~深川で乗った音江経由と同じ経路まで国道12号まで戻り、あとは国道12号をひたすら走る。平地の納内経由より人家は少なめで、停留所の数も少ない気がする。

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 神居古潭で空知支庁から上川支庁(旭川市)に入り、右手からは芦別からの道道4号線と合流。

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こちらもかつての幹線だった中央バスの旭川~芦別線が運行されているが、めっきり本数が少なくなってしまった。そして深旭線と合流すると山深くなり、春志内トンネルを抜けると旭川の市街地までもうすぐである。
 このまま旭川駅まで乗るつもりだったかだ、左手にどう見ても都営バスの塗装の車が後ろを向けて停まっているのを発見。
 一瞬廃車体かと思ってしまったが、どうやら折返場で待機しているようだ。折返所の停留所名と時刻表から推定して、後続ですぐ来るようだったので途中で降りてみる。

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★高砂台入口1338→(旭川市街地)
道北バス[67]

 バスを降りて待っていると、向かいにも元・都営バスの姿が。結構多く見ることができるようだ。

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 道北バスはバス通りとなる幹線がはっきりしていて、幹線は多くのバスが集中して運行している。パターンダイヤ化されているところが多いのも便利だ。この[67]は旭川駅をスルーして南西部と北東部を結ぶ路線で、系統のグループをあわせて中心部はほぼ20分等間隔で運行されている。
 やって来た元・都営バスは車内もほぼ往時のままだった。側面行き先表示の位置が移設されていた程度である。

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 日野+富士重工(多分)。前面方向幕脇の色や大型窓が特徴ある元遠鉄。

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 旭川で少々用事を済ませる。旭川四条駅近くの「つるや」でラーメン。スープもうまいがかなり並んでいた。

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★旭川駅1505→富良野駅1640
ふらのバス(ラベンダー号) ¥860

 旭川駅は高架化の工事真っ最中で、10月にはオープンするとのこと。かなり生まれ変わったようになるのだろう。駅発着のバスは一部を除き駅前通りの路上から発車になる。ふらのバスのこの系統も例外ではなく路上発車である。

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 長距離路線や旭川駅発着の一般系統はその乗り場群から発車するのだが、先ほどの[67]系統のように駅をスルーする系統はさらに1本北側の一条通の路上から発車する。停留所も一条7丁目/8丁目(旭川駅)のように一見しただけでは旭川駅前にあることが分かりづらく、JR駅と市内線との接続はあまり重視されていないのだろうか。

 旭川からは一路南へと向かう。もう少し時間があれば道北バスの一般路線で美瑛駅まで南下した後、そこからふらの号へと乗り換えるところだが、時間がないため富良野駅へ一直線。一般路線というよりは観光タイプの車を使った都市間バスといった趣である。
 停留所もかなり絞られた快速運転となっている。乗客は15人程度で、他の路線よりは乗客が目立っていた。途中、旭川空港にも立ち寄って空港連絡の役割も果たすが、空港からの乗客はいなかった。
 旭川空港から先は国道237号に合流し、JR富良野線に沿って美瑛・富良野まで南下する。観光スポットとしても名高く、景色も北海道らしい。初夏の時期だともっと綺麗なのかも。

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★富良野駅1655→占冠駅1810
 占冠村営バス ¥870
 
 富良野駅の駅前は「北の国から」のインストがエンドレスで流れていた。駅前に10分以上いると洗脳気分になってくる。ルルー ルルルル ルゥールゥー♪(出だし) さすが観光地。
 立派な駅前ロータリーと待合室+観光案内所も整備されている。ISO14001取得というのをこんなに大きく書くバス会社は初めて見た。

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 富良野からは村営バスに乗って鉄道を短絡して占冠(しむかっぷ)まで向かう。占冠村はトマムリゾートで有名な山間の村で、JR石勝線を村を東西に貫通している。ただし鉄道の本数は少なく、そもそも特急しか停車しないということもあり、手近な街や病院のある富良野へのアクセスとして日に3往復している。土曜休日も運転となっており、朝・昼・夕に1往復と、最低限の本数ながら使いやすいダイヤになっている。自治体の運行するバスとしては頑張っているほうなのでは。

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 やって来た白ナンバーのバスに数人が乗り込む。そして発車。少し駅から離れると、思ったよりもロードサイドの大型店も多く、近隣では栄えているようだ。そこの停留所からも数人乗り込む。若い人も乗っていたのが印象的だった。多くの人が買い物袋や荷物を持っており、買い物バスとしても機能しているようだ。

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 バスは国道38号(237号との重複区間)をJR根室本線に沿って南下し、こまめに停留所が流れていく。山部駅の集落を抜けると富良野市を出て南富良野町に入る。ここまでは降車は不可で、自治体バスというだけあってクローズドドアになっている。ふらのバスの一般路線もあるからだろうか。
 ちなみにこのバスの変り種としては、初乗り運賃が50円と異常に安い。短距離を乗る人はそうそういないだろうが、運賃表に50とか60とかの数字が出てくるのは面白い。運賃の上がり方も抑えられ、富良野~占冠の50kmが870円と、普通のバス会社の基準で考えるとかなり安いほうに入る。

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 国道38号と分かれて237号単独区間に入り、JR根室本線とも金山駅で分かれるといよいよ山深い地帯に入る。さすがに誰もこの区間では降りる人はなく、夕闇迫る中を快調に飛ばしていった。

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 峠を越えてしばらくすると石勝線の線路をくぐる。そうすると占冠駅前。駅前はほとんど何もない静かな駅で、ここで降車する。バスはこのまま直進して役場を過ぎて集落のある上双珠別で終点となるため、すぐに走り去っていった。占冠駅では数人が降車したが、車での迎えが多いようだ。

★占冠駅1810→日高町総合支所1835
 日高町営バス ¥570

 占冠駅前では乗り継ぎ先の日高町営バスが待っていた。定刻で2分しか乗り継ぎ時間がなく、前の占冠村営が2分ほど遅れていたのでギリギリだったが、一応接続はなされているようだ。ちなみに、村営バスは駅前の路上、町営バスは駅ロータリーの中から発車のため30秒ほど歩く必要がある。

 この日高町営バスも越境する自治体バスである。日高町は占冠村に接した南側の町で日高山脈の山中にある。かつては、町の外に出るには川沿いに苫小牧方面に山を降りて、そこから札幌へと向かうのが標準的だった。かつて走っていた国鉄富内線(鵡川~日高町)と同様のルートだが、昭和50年代の石勝線の開通により占冠駅が最寄となり、特急で札幌に素早く出られるようになったためにこのルートが開拓されたと考えられる。町営バスながら毎日運行で5往復あり、全て札幌方面の特急と接続しているというよく考えられた町営バスと言える。

 もっとも、乗ったバスは自分一人だった。
 バスは快調に山間の国道237号をさらに南下する。そこに前方を横切る鹿。今の季節は割と多いらしい。運転手曰く、占冠駅の裏手に牧草地があり、そこにはよく鹿が出没するとのこと。道のあちこちに目立つブレーキ痕も、動物を見つけて急ブレーキというものが多いらしく、この地方ならではと言える。

 人家はほぼなく、すれ違う車も少ない。日高峠を越えて日高町に入っても状況は基本的に変わらないが、市街地に入ると立派な道に街路灯と一変した。

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 終点の日高町総合支所はだだっ広い駐車場の一角のような場所で、向かいには道の駅「樹海ロード日高」もあって大型トラックの出入りも多い。セイコーマートも近くに2件あり、さらには商店や食事処など町の周囲の規模の割に(失礼)栄えている。宿も数軒ある。何かと思ったら、道央と道東を東西に結ぶ主要道、日勝国道274号の主要中継地として栄えていたのであった。
 もっとも、道東自動車道がまもなく全通してこの国道を通る車も数年後には少なくなっていると思われる。その時はこの街はどうなっているのだろうか。

 ここから乗り継げる便はもうないため、ここで一泊。宿までは少し歩き。国道と中心街を外れると歩く人もおらず、静かな道に足音だけが響くが、道路だけはやたらと立派であった。

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