バスの最近のブログ記事

★浦河1312→様似1335
JR日高本線 ¥350

 浦河駅はホーム1面に線路1本だけの簡素な駅だが、かつては貨物用の側線や交換駅だった名残が残っていて、少しうら寂しい感じがする。それにしても「青色申告と諸税完納宣言の町 浦河町」。もっと他にいいキャッチフレーズはないのか。
 ちなみに左が先ほどバスを降りた役場、奥の跨線橋が先ほど渡ってきたもの。

 ほどなくして列車到着。専用塗装「優駿浪漫」をまとったキハ40の単行だ。JR化後、日高本線には地方線区用に新車キハ130が投入されてたが、北海道用の耐寒設備が足りない等コスト安の構造と潮風にあたる路線には全く適さなかったようで、わずか十数年で全て廃車されて国鉄時代のキハ40が再登板したと記憶している。確か'99年に乗ったときはまだキハ130だった記憶があるが......。置き換えた旧型車に再び置き換えられるとは皮肉な運命だと思う。
 浦河からも数名が乗り込み、車内は適度に座席が埋まっている。最初は海寄り、日高幌別からは少し内陸に入り、20分ほどで終点の様似に到着。

★様似営業所1357→広尾1550
JRバス北海道(日勝線) ¥2,340

 様似駅からは北海道のローカルバスとしては有名なJRバス日勝線に接続する。「日」高と十「勝」をえりも岬経由で結ぶ路線で、広尾から帯広までは国鉄広尾線が来ていた。いずれは鉄道で結ぶ目的でバスを開業させたのだろうが、急峻な地形ゆえその夢が果たせることはなく、広尾線は国鉄の赤字路線として廃止された。

それでもバスは国鉄バスからJRバスになり、そのまま運行を継続している。各地のJRバスの一般路線がほぼ消えゆく中、戦前から同じような形で営業を継続している稀有な路線でもある。
 もっとも、本数は非常に少なく、様似~広尾を通しで走るのは平日3往復、土休日は2往復。広尾まで行けるのは今回乗る午後2時の便が最終になってしまう。もう片方の便は様似駅7:00発で近隣に宿泊していないとムリなため、様似側からは実質的にこの便しか乗り継ぎに使えないことになる。

 バスの案内所は様似駅に入っていて、バスの回数券も取り扱っている。回数券をくださいと言ったら出てきたのは磁気のバスカード。何と札幌圏のJRバスカードと共通で使えるようだ。

 せっかくなので、始発の様似営業所まで行ってみることにする。駅から海を背にして1kmほど、様似高校の手前に営業所があった。

 向かいは牧場。道路を通ったらウマに凝視された。ガン見。

 営業所の始発ポールは構内ではなく、営業所から少し離れた様似駅寄りの路上にある。ここで待つこと数分、バスがやって来た。10年前に乗ったときは観光バスタイプのトップドア車だが、まさかのキュービック。あまり観光気分にならないが、まあ仕方がないか......。

 様似駅に寄って数人が乗車、そのまま一路国道336号線を南下してえりも岬に向かう。国道は海に沿っているため、右手に太平洋を眺める景色は綺麗。

 幌満(ほろまん)の集落を抜けてしばらくすると、えりも町に入る。ここは外部に抜ける公共交通機関は基本的に日勝線だけで、平日は7.5往復、土休日は4往復。ただ、それ以外に札幌まで直通する1往復の高速「えりも号」が走っているのは便利だろう。札幌駅まで4時間で到着し、えりも発5:30、札幌発16:30と沿線民のお出かけに割り切ったダイヤになっているため、列車の乗り継ぎよりも便利である。

 役場を抜けてしばらくすると、国道はえりも岬には寄らずにショートカットして分かれてしまう。国道に忠実に走る路線も平日片道1本のみ運行されているが、それ以外は全便えりも岬経由となる。この便もそのまま海沿いに南下。

 えりも岬に到着。よく考えたらバスは3回目のような気がするが、えりも岬自体に降りたことは一度もなかった。車で来ないと周遊観光はツラいところではある。
 ここから数人が乗り込んだが、いずれも旅行者といった感じで地元の人は少なかった。

 えりも岬を回ると一転して北上する。動物に注意、の看板が心なしか多い。

 象印クイズ ヒントでピント(←ネタが古い上にそろそろ誰も分からない)
 
 国道336号に再び合流する庶野(しょや)の集落はそれなりに開けたところで、少しの乗降があったが、ここから先がこの路線のハイライトになる。

 庶野~広尾の国道部分は別名「黄金道路」と呼ばれる。昭和の初期に莫大な金を投じて海と山が迫る急峻な地形に道を拓いたことからそう呼ばれたようだが、今でもその名残は十分に感じることができる。

 庶野の集落を過ぎてすぐのトンネル。右の海中に没しそうなところにもトンネルがあるが、かつての旧道の名残と思われる。道路の改良
 今なお広尾までの区間は改良工事中で、10年前よりもトンネルが増えているような気がした。最近の技術でもって海岸線に沿う道ではなく、長大トンネルでバイパスしてしまおうということらしい。その分眺めは味気なくなるのは残念だが、安全にはかえられないというところなのだろう。

 至る所に長いロックシェッド(落石覆いのトンネル)や波を防ぐ巨大な壁があり、旧道から新道のトンネルに切り替わったところでは、旧道が土砂崩れを起こしているのも車窓から見ることができた。

 雨が降っていないのに路面が所々濡れていると思ったら、波しぶきが防波堤を越えて道路までかかった跡なのである。風が少々強い日ではあったが、海面6mはあると書かれていたのに......。

 そのような事情もあり、庶野から先は集落がほとんどなく、停留所の間隔も数km開くところが出てくる。庶野から広尾までの30km程度で、目だった集落は目黒と音調津(おしらべつ)くらいだった。トンネルトンネルの切れ目にバス停はあるが、周りに人家がほとんど見当たらない場所もあり、かつてはもっと人が住んでいたのだろうか。乗降はもちろん全くなかった。

 音調津の集落を後にして、奥に見える長ーいロックシェッドを抜けて少し走ると、と突然開けた集落に出る。ここが終点となる広尾町の中心部で、十勝平野の南端となる。かつてはここまで国鉄広尾線が帯広から来ていたが、昭和62年に廃止された。

★広尾

 終点の広尾は旧・広尾駅の駅舎をそのまま利用したもので、広尾線の代替バスを運行しているとかちバスのきっぷ売り場が入っている。改札口もそのまま残され、事務所だったと思しき空間は鉄道の資料室となっている。

 JRバスは町のメインストリートを縦貫して突き当たりの駅の跡地で終点となる。駅前のロータリーにはタクシーも停車していて、今なお交通の要所となっているようだ。地図を見ると、かつては駅が町の中心的な存在だったことを物語っているかのようである。

 駅前にはポールが2本あり、JRバスはここからも高速バスを運行している。えりも岬を大きくショートカットして浦河に抜けて札幌へと向かう高速バスを1往復運行しており、名前はなぜか「ひろおサンタ号」。サンタはどこから来たんだ。

★広尾1619→帯広駅BT1834
十勝バス ¥1,830

 広尾から帯広までは長丁場の路線ゆえ、案内所で回数券でも買おうかと思って聞いてみたら「回数券は3枚までしか同時に使えません」とのこと。今時まだこんなケチな会社があったとは......。バスカードの流れに伴って廃れていったと思っていたが。
 仕方ないので帯広までの運賃を先払いする。硬券の乗車券が発券された。バスではちょっと珍しいかも。90km近くはありそうな路線だが、それでも二千円もしない(バスの運賃で考えたら異常に安い)というのは国鉄代替バスだという使命が課せられているためだろう。

 広尾線代替バスは広尾駅から多少離れた広尾営業所が始発となり、一旦大通りを経由して広尾駅に到着する。先ほどJRバスから降りたほぼ全員が乗り継いだ。さすが乗り継ぎとしては有名なルートだけある。

 やってきたバスは日野の昭和62年(P-HU236BA?)。どう見ても年式からして国鉄の代替時に導入した車だろう。今年で23年目、元気に走り続けているようだ。ただボディーの足回りはさすがに錆が目立っていたが......。専用塗装になっていることからして、この路線に張り付きで運用している模様。

 ちなみにこの車、一番前の左の眺めのよい席は「廃てんぷら油置き場」となっていたが、容器は座席には置かれていなかった。てんぷら油回収でリサイクル、ということらしいが、それだったらこの席にしなくとも良いのでは(運転席真後など)。そのために固定で座席を一席潰すという考えはよく分からない。もしくは他社のように「荷物用座席」にするか、座席を撤去してしまったほうがまだマシだと思う。

 広尾を出ると海岸線と別れ、十勝平野の中央へと進むように内陸を北上する。直線状の道路を走り、周りは畑や牧場、たまに集落といった趣だ。
 20kmほど北上した豊似からは国道236号線となり、大樹(たいき)、忠類、更別(さらべつ)、中札内(なかさつない)と進む。所々国道を外れて集落に寄るところもあるが、途中で乗る人も少なく、快調にバスは走る。
 忠類ではバスターミナルにて広尾ゆきとすれ違い。すれ違った車も同型式のバスで、専用車として年代は経たが、まだ使われているようだ。

 中札内の中心部の近くには六花亭の工場と包装紙のデザインをした坂本直行の記念館もある「六花の森」が3年ほど前に開いた。一度行ってみたい。

 帯広市に入る頃には日も暮れて、すっかり夜の中。かつて国鉄時代にキップがたくさん売れた愛国と幸福を過ぎれば、帯広市の中心街へと近づく。

帯広市は平野が広がっていることもあり、郊外まで市街地は拡大している感じがあるが、市内のバスは最盛期に比べるとかなり衰退している感じがする。特に市内線の路線網や本数の少なさが目立つ。完全に車社会になってしまっているのだろう。

 

★帯広

 夜は時間が少しあったので、帯広競馬場に行ってばんえい競馬。帯広駅BTから[1]市内循環線で数分(もしくはタクシー)。夏の間はナイターをやっている。

 脇には食べ物処や産直野菜を売る市場がまとまった「とかちむら」が今年オープンしていた。

 ばんえい(輓曳)競馬は、競走馬が重石をのせたソリを曳く形式の競技で、かつては他の道内でも開かれていたが、赤字により廃止。今は帯広だけで開催され、何とかスポンサーを見つけて生き延びているようだ。それでも全国でここだけ、という特色を活かして、色々と情報発信をしているようだ。

 一地方の競馬場ゆえかなりオープンな感じで、観客は100人程度か。観覧席に座っている者はなく、コースのすぐそばまで寄ることができる。
 コースはアップダウンのある200mの直線と非常に短いが、ソリも重いためゴールまでは2分程度はかかる。するとどうなるかというと、観客は競争開始時はゲート近くに集中し、馬にあわせて観客が走りながら目当ての馬に声援を飛ばすという幼稚園の運動会のような光景が見られる。

 普通の競馬のウマ(サラブレッド)と種がそもそも違う。パドックで間近に見るとわかるが足の太さが全く違う。出走表の馬体重も1000kg前後と普通の競馬では未知の数字が並んでいるだけある。

 おまけ。堅くいったらちょっと収益が出たので帯広名物豚丼代に化かすことにした。さすがに夜9時を過ぎると開いている店はほとんどないが、何とかすべりこみセーフ。

 おまけその2。六花亭の本店でしか売っていない(しかも賞味期限2~3時間)のレアなお菓子。「雪やこんこ」のブラックビスケットにぶ厚いクリームチーズを挟んだ「雪んこチーズ」なる商品。肉まんのような紙包みに入れて渡してくれるのだが、舌で溶けるのようなクリームチーズとマッチしていてこれがウマい。
 本当はもうひとつの限定品「さくさくパイ」も狙っていたが、夜は当然ながら売り切れ。また帯広に来なければ......。

(ピントずれました)

朝。日高町は晴れていた。

きっとここは冬はスキー場として賑わうのだろう。

★日高ターミナル755→鵡川駅925
道南バス(特急ひだか号) ¥2000くらい

 ここからは、国鉄富内線の代替バスでもある道南バスに乗って、沙流川沿いに国道237号を走り太平洋まで下ることになる。
 国鉄富内線は鵡川(むかわ)~富内~日高町を結んでいた国鉄で、鵡川から富内までは一本隣の沢である鵡川沿いに上り、そこから横移動して沙流川沿いに上流して日高町まで達していた。そこから先は昨日通った町営バスのルートに沿って根室本線の金山駅へとつなぐ構想はあったが、結局石勝線の開業とともに夢のまま終わってしまった。日高町まで線路が延びたのは昭和39年とかなり後のことで、廃止は昭和61年なのでわずか22年しか営業していないことになる。

 日高ターミナルは待合室があり、時刻表関連は全てその中に貼ってある。道南バスのポールも一応あるが、よく見ると朝に3本あるだけで、それ以外は15:00発の1本だけという極端なダイヤである。

早朝は一般路線の富川行き、高速バスの札幌行き、特急の苫小牧行きがそれぞれ1本ずつ運行される。札幌行きは札幌まで降車不可のため、ローカルな路線バスは残り2本だけである。お出かけ用途の早朝便を除けば、通学用に完全に特化したダイヤと言えるだろう。というよりも普通であれば昨日の日高町営バスに乗って占冠に出て特急に乗ったほうが便利そうだ。

 特急ひだか号到着の直前に日高町営バスの町内循環線がやって来た。苫小牧行きとの接続も取っているようだ。そしてやって来たのは観光バスタイプ。特急というだけあり、途中のかなりの停留所を通過する。といってもどうせほとんど乗り降りがないことを考えても、このような末端ローカル区間は各停留所停車扱いにしたほうが利便性が高いのではないかという気もする。日高町からは女子高生っぽいのを含めて5名乗車。いずれも市街地まで長距離の乗りとおしのようだ。

 出発したバスはすぐに国道237号に入り、快調に飛ばす。ほとんど人家はなく、わずかに牧場や集落がある程度だ。途中わずかに乗車はあるものの、基本的には定速進行という感じ。
 平取(びらとり←読めません)町に入り、岩知志の集落を抜けると日高町の次の大きな集落の振内(ふれない)に到着。富内線のかつての終点だったところでもあり、待合室つきのバスターミナルが完備されている。バスターミナルから少し歩いたところには鉄と洞資料館もあるようだ(写真、道路の奥)。

 次の幌毛志の集落で、実際の富内線は隣の富内へと向かって右に折れてしまう(写真の「穂別」の方面)。

バスはそのまま沙留川に沿っていくため、ここから先は国鉄代替ではない。廃止当初は線路に沿って鵡川~富内~幌毛志~日高町という代替バスが運行されたが、富内~幌毛志は胆振支庁と日高支庁の境でもあり流動が少なかったのか、すぐに本数が減らされて10年近く前に廃止されてしまった。鵡川~富内は元からバスがあったこともあり、こちらは今でも運行している。ということで、富内~幌毛志はバス路線自体が消滅し、正確に跡をなぞるバスはなくなったことになる。

 幌毛志を過ぎると沙流川が太くなり、二風谷(にぶたに)でダムに遭遇。アイヌ民族の立派な資料館がある。それを過ぎると町の中心部の平取の集落に出る。さすがに近隣よりはかなり人が集積している感じだ。セイコーマートも振内以来久々に出てきたし。

 ここまで来ると太平洋まではすぐそこで、ほどなく日高本線の富川駅に当たる。バスはそのまま日高本線沿いに苫小牧まで北上するが、ここで降りても次のバスまで間があるため、鵡川駅まで乗ってみることにする。

★鵡川駅

 鵡川駅は近隣では大きな集落のはずだが、駅前は静まり返っていた。富内線廃止時の交付金で建てられたのか、駅舎は割と立派な作りである。バスと鉄道の時刻表と運賃表が同列に書かれているのが面白い。道南バスの時刻表の上張りや穴を見ると、色々と路線が廃止されていったことがうかがえる。ここには本数が少ないながらもあつまバスも来ているが、残念ながら平日のみ運行とのこと。

 窓口にも誰にもおらず、売店らしき場所はシャッターも降りていて駅舎も異常に静か。これでも鉄道は10往復程度はあって当駅発着もあるのだが......。調べてみると、2006年に無人駅になって売店に発券業務を委託したが、2009年に売店も閉店した模様。

 それでも地元のお祭りがちょうどあったようで、子供神輿が駆け回っていた。

 次の道南バスを待っている間に、むかわ町営バスが2路線到着。この辺りも一般路線は幹線を除いて町営バスに移行している。

さらに、富内線の代替バスの片割れでもある穂別行きが到着。こちらもいつか乗ってみたい。


★鵡川駅1003→静内駅1132
道南バス ¥990

 ここからは日高本線に沿って下る旅に。国道235号上を南下し、点在する集落を結んでの運行となる。この路線は苫小牧始発なので完全に鉄道並行なのだが、鉄道よりも密に停留所を置いていることで鉄道と共存しているのだろう。といってもバスは3往復(+新千歳空港~浦河の急行バスを含めて4往復)と本数は少なめ。かつては日本のいたるところに鉄道と並行する長距離一般路線バスがあったが、このように現存している例は少なくなりつつあり、北海道は例外的に多く残っているとも言える。

 次の目的地の浦河はまだ遠い。

 ちなみに「日胆国境」というそのまんまのバス停(支庁境界なのに国境......)を抜けると富川・門別の町に入るが、ここの町名は出発地と同じく「日高町」で、飛び地合併になっているようだ。すぐに左手に門別競馬場が見える。ここからはサラブレッド地帯となり、沿線にウマの牧場がやたらと目につくようになる。

 ちょっと中二な感じの名前が最高ですねエンドレスファーム。

 日高門別の駅を過ぎると線路と沿うように国道も太平洋沿いになり、左手は海、右手は牧場という景色が多くなる。ここから浦河までの区間は車窓も良く、オススメ。

 次の新冠町に入ってもこの景色は特に変わらない。乗客は少しの乗り降りはあるものの、短距離の乗降がメインで、長距離を乗りとおしているのは自分以外にはいなかった。

 新冠駅を過ぎるとすぐに新ひだか町に入って終点の静内の集落となる。静内は沿線の中でもとりわけ栄えているように見え、この辺りだけロードサイド店の出店もかなりまとまっている。

 この手前くらいからぽつぽつと乗る人が増えて、駅手前の商店集積地帯でまとめて降りていった。ここでも鉄道よりもきめ細かい輸送を実践しているように見えた。
 ふたたび乗客がわずかになると、すぐに終点の静内駅に到着となる。鵡川から静内まで50kmは越えているはずだが、1000円しないというのは鉄道並行だからだろう。ちなみに鉄道だと1,040円となる。安かった。

 静内駅到着。そういえば、道南バスは割と日デ車が目立つ気がする。

 静内駅は駅舎内にみやげ屋や案内所とバスターミナルの役割も兼ねている。
 駅そば開業中。麺のコシという概念からは1万光年くらい隔たりがあったが、ちょっとうまかった。

 さて、静内駅からはさらに日高本線に沿って南下しようと思ったら......同じバスだった。田舎のバスではありがちだが、同じ車で回しているらしい。それだったら通しの路線にしてくれればいいのに......とも思うが、再び同じバスに乗り込む。

★静内駅1148→役場前(浦河)1259
道南バス ¥

 ここから浦河までは、日高本線が山に寄るのに対してほぼ海岸沿いを走り続けるという違いがある。急峻な山が海のそばまで迫る場面が多くなるからであろうが、鉄道に完全並行でないためか、苫小牧~静内よりも本数はわずかに多くなる。
 
 車窓も、そのためかバスのほうが良い感じがする。

沿線の牧場も今までよりは少ない、というよりはもう少し内陸に点在しているのだろう。それでもまだウマの姿を多く見かける。

 
 静内ゆきとすれ違い。

 そうこうしているうちに浦河駅に到着。バスの行き先は「浦河」となっているが、実際は浦河駅からは少々離れた浦河老人ホーム発着で、駅の最寄は役場前となる。その隣に「浦河駅通」という停留所もあるが、実際は役場の前に跨線橋直結の裏口があるため、駅通りで降りると駅からは結構歩くハメになる。

 役場前に立派に鎮座しているのが「昆布干す乙女像」。この地域は昆布の名産地、そして昆布といえば短期決戦での乾燥行程が重要とされている、からかな? 干している割には噴水で始終濡れっぱなしであるのは考えないことにしておく。

 ここで札幌ゆきの高速バスがやって来た。なかなかの長距離高速バスだが、1日7往復も運行されており、道南バスの重要路線の1つ、かつ、沿線の主要交通機関でもある。さすがに今までとは違う新しそうな車で運行されていた。

 跨線橋を渡り、駅の正面に出る。浦河駅は有人駅だが、跨線橋はホームに直結しているので、この場合は一旦ホームから改札を出てキップを買うことになる。浦河駅舎は国道に背を向けるようにして建っている。駅の前にも並行して道路が走っており、かつてはこちらがメインの道路だったのかもしれない。

 ここからは様似までJRバスが走っているが、ちょうど手ごろな時間のものがないため、様似まで少しの間列車に乗ることにする。


 

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★深川中央病院1235→深川十字街1238
空知中央バス(和線) ¥160

 深川の中央街に到着。そのまま歩いてもいいのだが、せっかくなので2区間ほどバスに乗ってみることにする。やって来たバスは和線こと北竜温泉ゆき。和で「やわら」と読み、深川市北西の北竜町に向けて走る。かつては札沼線の和駅が昭和47年まで存在したが新十津川~石狩沼田の廃止により駅も廃止された。

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 目の前の深川駅。

 深川十字街は深川駅から100mと少し歩いた国道233号(本町通)上の十字路で、バス停の名前としてはまんまである。ここには通り上に交差点を挟んで2対、計4箇所のバス停がある。旭川に向かうバス停は交差点の旭川寄りにある。

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★深川十字街1250→高砂台入口1319
道北バス(留萌旭川線[56]) ¥670

 深川から旭川にバスで向かう方法は2通りあり、空知中央バスの深旭線と沿岸・道北バスの留萌~旭川線がある。前者は函館本線に沿って平地の真ん中を走る納内経由、後者は国道12号を忠実に走る音江経由となる。経路が異なるため、同じ旭川行きでありながら深川十字街のバス停が反対同士になっているのが面白い。
 先に来るのは道北バス担当の留萌旭川線のため、そちらのバス停で待っているとほぼ定時に現れた。観光バスタイプでちょっと豪華気分。道北バス扱いなので道北バスのカードも使えるようだ。なぜか系統番号も市内線に準じて[56]という番号がつけられている。

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 音江経由というだけあり、先ほど滝川~深川で乗った音江経由と同じ経路まで国道12号まで戻り、あとは国道12号をひたすら走る。平地の納内経由より人家は少なめで、停留所の数も少ない気がする。

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 神居古潭で空知支庁から上川支庁(旭川市)に入り、右手からは芦別からの道道4号線と合流。

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こちらもかつての幹線だった中央バスの旭川~芦別線が運行されているが、めっきり本数が少なくなってしまった。そして深旭線と合流すると山深くなり、春志内トンネルを抜けると旭川の市街地までもうすぐである。
 このまま旭川駅まで乗るつもりだったかだ、左手にどう見ても都営バスの塗装の車が後ろを向けて停まっているのを発見。
 一瞬廃車体かと思ってしまったが、どうやら折返場で待機しているようだ。折返所の停留所名と時刻表から推定して、後続ですぐ来るようだったので途中で降りてみる。

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★高砂台入口1338→(旭川市街地)
道北バス[67]

 バスを降りて待っていると、向かいにも元・都営バスの姿が。結構多く見ることができるようだ。

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 道北バスはバス通りとなる幹線がはっきりしていて、幹線は多くのバスが集中して運行している。パターンダイヤ化されているところが多いのも便利だ。この[67]は旭川駅をスルーして南西部と北東部を結ぶ路線で、系統のグループをあわせて中心部はほぼ20分等間隔で運行されている。
 やって来た元・都営バスは車内もほぼ往時のままだった。側面行き先表示の位置が移設されていた程度である。

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 日野+富士重工(多分)。前面方向幕脇の色や大型窓が特徴ある元遠鉄。

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 旭川で少々用事を済ませる。旭川四条駅近くの「つるや」でラーメン。スープもうまいがかなり並んでいた。

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★旭川駅1505→富良野駅1640
ふらのバス(ラベンダー号) ¥860

 旭川駅は高架化の工事真っ最中で、10月にはオープンするとのこと。かなり生まれ変わったようになるのだろう。駅発着のバスは一部を除き駅前通りの路上から発車になる。ふらのバスのこの系統も例外ではなく路上発車である。

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 長距離路線や旭川駅発着の一般系統はその乗り場群から発車するのだが、先ほどの[67]系統のように駅をスルーする系統はさらに1本北側の一条通の路上から発車する。停留所も一条7丁目/8丁目(旭川駅)のように一見しただけでは旭川駅前にあることが分かりづらく、JR駅と市内線との接続はあまり重視されていないのだろうか。

 旭川からは一路南へと向かう。もう少し時間があれば道北バスの一般路線で美瑛駅まで南下した後、そこからふらの号へと乗り換えるところだが、時間がないため富良野駅へ一直線。一般路線というよりは観光タイプの車を使った都市間バスといった趣である。
 停留所もかなり絞られた快速運転となっている。乗客は15人程度で、他の路線よりは乗客が目立っていた。途中、旭川空港にも立ち寄って空港連絡の役割も果たすが、空港からの乗客はいなかった。
 旭川空港から先は国道237号に合流し、JR富良野線に沿って美瑛・富良野まで南下する。観光スポットとしても名高く、景色も北海道らしい。初夏の時期だともっと綺麗なのかも。

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★富良野駅1655→占冠駅1810
 占冠村営バス ¥870
 
 富良野駅の駅前は「北の国から」のインストがエンドレスで流れていた。駅前に10分以上いると洗脳気分になってくる。ルルー ルルルル ルゥールゥー♪(出だし) さすが観光地。
 立派な駅前ロータリーと待合室+観光案内所も整備されている。ISO14001取得というのをこんなに大きく書くバス会社は初めて見た。

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 富良野からは村営バスに乗って鉄道を短絡して占冠(しむかっぷ)まで向かう。占冠村はトマムリゾートで有名な山間の村で、JR石勝線を村を東西に貫通している。ただし鉄道の本数は少なく、そもそも特急しか停車しないということもあり、手近な街や病院のある富良野へのアクセスとして日に3往復している。土曜休日も運転となっており、朝・昼・夕に1往復と、最低限の本数ながら使いやすいダイヤになっている。自治体の運行するバスとしては頑張っているほうなのでは。

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 やって来た白ナンバーのバスに数人が乗り込む。そして発車。少し駅から離れると、思ったよりもロードサイドの大型店も多く、近隣では栄えているようだ。そこの停留所からも数人乗り込む。若い人も乗っていたのが印象的だった。多くの人が買い物袋や荷物を持っており、買い物バスとしても機能しているようだ。

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 バスは国道38号(237号との重複区間)をJR根室本線に沿って南下し、こまめに停留所が流れていく。山部駅の集落を抜けると富良野市を出て南富良野町に入る。ここまでは降車は不可で、自治体バスというだけあってクローズドドアになっている。ふらのバスの一般路線もあるからだろうか。
 ちなみにこのバスの変り種としては、初乗り運賃が50円と異常に安い。短距離を乗る人はそうそういないだろうが、運賃表に50とか60とかの数字が出てくるのは面白い。運賃の上がり方も抑えられ、富良野~占冠の50kmが870円と、普通のバス会社の基準で考えるとかなり安いほうに入る。

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 国道38号と分かれて237号単独区間に入り、JR根室本線とも金山駅で分かれるといよいよ山深い地帯に入る。さすがに誰もこの区間では降りる人はなく、夕闇迫る中を快調に飛ばしていった。

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 峠を越えてしばらくすると石勝線の線路をくぐる。そうすると占冠駅前。駅前はほとんど何もない静かな駅で、ここで降車する。バスはこのまま直進して役場を過ぎて集落のある上双珠別で終点となるため、すぐに走り去っていった。占冠駅では数人が降車したが、車での迎えが多いようだ。

★占冠駅1810→日高町総合支所1835
 日高町営バス ¥570

 占冠駅前では乗り継ぎ先の日高町営バスが待っていた。定刻で2分しか乗り継ぎ時間がなく、前の占冠村営が2分ほど遅れていたのでギリギリだったが、一応接続はなされているようだ。ちなみに、村営バスは駅前の路上、町営バスは駅ロータリーの中から発車のため30秒ほど歩く必要がある。

 この日高町営バスも越境する自治体バスである。日高町は占冠村に接した南側の町で日高山脈の山中にある。かつては、町の外に出るには川沿いに苫小牧方面に山を降りて、そこから札幌へと向かうのが標準的だった。かつて走っていた国鉄富内線(鵡川~日高町)と同様のルートだが、昭和50年代の石勝線の開通により占冠駅が最寄となり、特急で札幌に素早く出られるようになったためにこのルートが開拓されたと考えられる。町営バスながら毎日運行で5往復あり、全て札幌方面の特急と接続しているというよく考えられた町営バスと言える。

 もっとも、乗ったバスは自分一人だった。
 バスは快調に山間の国道237号をさらに南下する。そこに前方を横切る鹿。今の季節は割と多いらしい。運転手曰く、占冠駅の裏手に牧草地があり、そこにはよく鹿が出没するとのこと。道のあちこちに目立つブレーキ痕も、動物を見つけて急ブレーキというものが多いらしく、この地方ならではと言える。

 人家はほぼなく、すれ違う車も少ない。日高峠を越えて日高町に入っても状況は基本的に変わらないが、市街地に入ると立派な道に街路灯と一変した。

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 終点の日高町総合支所はだだっ広い駐車場の一角のような場所で、向かいには道の駅「樹海ロード日高」もあって大型トラックの出入りも多い。セイコーマートも近くに2件あり、さらには商店や食事処など町の周囲の規模の割に(失礼)栄えている。宿も数軒ある。何かと思ったら、道央と道東を東西に結ぶ主要道、日勝国道274号の主要中継地として栄えていたのであった。
 もっとも、道東自動車道がまもなく全通してこの国道を通る車も数年後には少なくなっていると思われる。その時はこの街はどうなっているのだろうか。

 ここから乗り継げる便はもうないため、ここで一泊。宿までは少し歩き。国道と中心街を外れると歩く人もおらず、静かな道に足音だけが響くが、道路だけはやたらと立派であった。

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★夕張医療センター815→夕鉄本社T828
夕鉄バス ¥230

 次の日の朝も湿気が少なく爽やかな天気。昨日の夜に乗った路線で札幌市側に少し戻る必要があるが、少し時間があるので終点の社光側まで歩いてみる。建物はあるが、相変わらず人気は少ない。

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 市内線は休日は8時台までなく、今回乗る便が第一便になる。この便自体は夕鉄本社ターミナルを抜けてさらに市街地の南側まで直通するが、ターミナルにて札幌急行線の2便目と接続するダイヤになっている。

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 誰も乗らないかと思っていたが、ターミナルに近づくにつれて1人2人と乗り込んできた。それ以外にも野球の試合があるのか、野球少年が何人か乗り込んでくる。
 JR夕張駅前には中央バスの高速車が停まっていた。高速ゆうばり号(札幌~(高速)~南幌~栗山駅~レースイリゾート)の始発便で、夕張側は急行運転になっていて各停留所でも乗降できるなど、高速バスというよりは一部区間高速経由の急行バスのような趣だ。ただし、夕鉄バスとは基本的に停留所名が合っていないので注意。

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★夕鉄本社T835→夕張橋T854
夕鉄バス ¥790?

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 数分すると札幌急行線が乗り場についた。乗客が老人が多く、10人弱が停留所に乗り込む。そのまま発車し、札幌へと走る。この辺りは夕張鉄道はかなり道路から離れたところを通っていた。トンネルも含めて一旦は廃線をサイクリングロードとして整備したらしいが、老朽化の危険もあり封鎖され、現在は廃道と化しているとのこと。
 沿線はほとんど人家も見当たらない。峠を越えて夕張市を越えると栗山町に戻る。継立(つぎたて)は夕張の次の比較的大きな集落だが、全く乗降がないまま通過する。このまま由仁駅まで進むと岩見沢方面の中央バスに乗り換えられるのだが、由仁駅で降りるとタッチの差で岩見沢行きは発車した後になってしまう。ということで、途中でバスを降りてつかまえることにした。岩見沢行きは国道234号を通るため、そことぶつかる夕鉄バスのバス停を探すと「夕張橋」が該当しそうなので、降りてみることにする。夕張橋自体は国道234号が夕張川を渡るところに架かっている橋の名だ。

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ところでお前は誰だ。

★弘清寺902→岩見沢T956
北海道中央バス

 中央バスの路線図を見ると、夕張橋というバス停はないが「弘清寺」なるバス停があり、地図で見ると寺は夕張橋のすぐそばにある。果たして1分も歩くと、国道沿いに停留所があった。

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 やってきたのは中型の日野RJ(ワンステップ)。乗客は数人すでに乗っていた。

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 運賃箱。本当に500円札がまた入るのか。自分が最後に使ったのは20年前くらいだと思う。その時点で既に珍しかったのに......
 この路線は岩見沢を起点としてJR室蘭本線に沿って国道234号を南下する路線で、先に行くに従い本数が減っていく構成になる。本数は少ないが空知支庁の境にある三川、札幌寄りに折れて長沼に、また1往復だけ夕張に行く便も存在する。札幌から岩見沢方面に路線バスだけでつなごうとすると、JR函館本線沿いの江別~岩見沢が路線廃止で空白地帯になっているため、迂回してこの路線を活用するルートが基本になる。
 もっとも、高速経由でよければ「高速いわみざわ号(札幌~岩見沢)」が15分間隔で走っているため、こんなことを考えているのはマニアくらいだが。
 岩見沢に近づくにつれて本数も増え、乗客もそれに比例するようにどんどん乗車してきて立ち席も出てきた。

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 終点の岩見沢ターミナルは駅の脇に併設されている巨大なターミナルだが、降車は駅前の路上で終点となるため、雨が降っている場合は濡れながら駅まで1分ほど歩くことになる。ターミナルに入れてくたほうが便利だと思うのだが。

★岩見沢T1015→美唄駅1054
北海道中央バス ¥720

 岩見沢ターミナルは乗り場を10面以上も備えた立派なターミナルだが、そのうちの2乗り場は特に使っていないようだ。
 なお、1路線だけ「新篠津交通」という青色のバスが発着しているが、かつてのJRバスが撤退した後の代替バスとして走っている。岩見沢の西側の新篠津村へのアクセスとして機能している。自治体バス(新篠津村営バス)も別途存在するのだが、新篠津交通は岩見沢~新篠津温泉の1路線のみを運行している会社で、専用の会社を仕立てて運行しているのは面白い。近隣だと下段モータースという会社が北海道中央バスの廃止代替で江別駅~石狩当別駅を運行しているようだが、こちらも機会があれば乗ってみたい。

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 岩見沢ターミナルは立派なターミナルで、回数券売り場や
岩見沢管内からはバスカードは使えないので、ここで回数券を買い足しておく。巨大な案内図には、かつて札幌までローカルバスがつながっていたことを示すかのような図が残っていた。点線はJRバスという意味だったのかしら?

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 岩見沢から美唄まではJRに並行してバスが運行されている。運賃表示機の系統名は「滝岩線」となっている。かつて滝川~美唄~奈井江~岩見沢を通しで運行していた名残だが、現在は美唄で分割され、岩見沢美唄線、滝川美唄線の2つになった(1往復だけ滝川~美唄~奈井江高校まで運転)。岩見沢からは1~2時間に1本程度運転されている。

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 バスは国道12号をえんえんと進む。途中で巨大ショッピングセンターのイオン三笠ショッピングセンターに入り込む。店舗に接してバス停があり、バスはこういったきめ細かな路線設定ができるのが売りというところだろう。ここで数人が降りていった。

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★美唄1104→滝川1119
JR

 美唄駅は駅舎は新しくなり、駅前ロータリーもゆったりとしてるいというよりはだだっ広い感じである。かつては炭鉱で栄えた街だが、エネルギー革命後は閉山と人口減が続き現在の人口は3万人を割っている。今は米や農産物を売りにしているようだ。ハスカップの産地としても有名らしい。

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 かつてこの地域は東急系列でもあった美鉄バスが各路線を運行していたが、数年前に会社は清算されてしまったようで、美唄市内は市民バスが代替として運行している。白ナンバーだ。

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 かつては北海道中央バスは駅前には発着せず、駅外れの美唄ターミナルを発着していたが、4年ほど前のターミナル閉鎖に伴って駅前に乗り入れるようになった。そのため、駅前の目立つ乗り場が市民バスの乗り場になっている。
 美唄からは滝川までバスで行きたいところだが、乗り継げる便は土曜休日運休。そもそも美唄~奈井江は平日7往復しか運行されておらず、本数が最も少ない区間になっている。ということで、滝川まで特急でワープすることにする。バスだと1時間のところが特急だと15分。速い。

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★滝川T1130→深川T1230(音江経由)
空知中央バス ¥590

 北海道中央バスの滝川ターミナルは、駅を出て左側に別のビルを建ててそこから全路線が発着している。かつて滝川駅から新十津川駅までJRバスに乗った15年くらい前の思い出があり、駅の脇のターミナルから出ていたはず......と思って探すと現在は駐車場のようなスペースになっている。看板がハゲてバスターミナルだった名残があるのが侘しい。空知地方に様々な路線を持っていたJR北海道バスも現在は全て撤退し、北海道中央バス等に路線が引き継がれた。

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 ここからは「空知中央バス」。バスの塗色等は北海道中央バスと共通だが、営業所ごと地域分社されたものである。
 滝川から深川までは1時間に2本運行され、かなり本数が多いほうである。「音江経由」と「雨竜経由」が交互に運転され、音江経由は国道12号経由で江部乙・稲田・音江を経由して深川に向かうもの、雨竜経由は江部乙から石狩川を渡り雨竜町を経由して深川に向かう路線てある。この区間はJRの普通電車はほとんど運行されていないため、地域の足としてはもっぱらバスが使われ、両端の駅のいずれかから特急に乗って札幌・旭川へと行けるように考慮されている。

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 やって来たのは音江経由。前の便に続き国道12号をひたすら走る。本数が多いため、途中でそれぞれの経由のバスとすれ違った。

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「須1号線」...「須」が住所?

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 音江で国道233号線を左折すると、右手に見えるのが空知中央バスの車庫。直進して石狩川を深川橋で渡るとすぐに深川の市街地に入る。

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JRの駅は目の前......なのだが、バスは駅を無視して手前を左折し、深川市立病院で終点となる。
 病院の脇に2基のポールがあり、ここが終点になっている。ただし折り返し所の機能は持たず、待機場自体は少し離れの駐車場のようなところにある。かつては中央バスの深川ターミナルがあった名残らしく、ターミナルを閉鎖した時に路線を市立病院発着に変更したらしい。

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 中央バスの発着ターミナルとしては市立病院だが、これ以外にも高速バス「るもい号」(札幌~深川~留萌)や沿岸・道北バスの留萌旭川線も含めた各路線が集まる場所は深川十字街停留所となる。駅前の国道沿いにあり、市立病院からはバス停で2つ目となる。せっかくなので短距離ながら乗ってみることにする。

(つづく)

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★登別温泉1345→苫小牧駅1517
道南バス ¥1,070

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 登別温泉から出たバスは快調に下って登別駅に戻り、そこから国道36号線沿い、すなわち室蘭本線に沿って苫小牧を目指す。室蘭本線回りの乗り継ぎはこの区間が一番ネックとなり、他の区間がそこそこ本数があるのに比べて、ここだけは1日5往復しか走っていない。普通なら登別から電車に乗り換えるのが便利に決まっているので、需要が他に比べて少ないのだろう。登別温泉から札幌・新千歳にそれぞれ直行する高速バスもあるが、午前中にそれぞれ1本ずつなので今回の乗り継ぎには使えない。

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 登別を出ると北海道らしいだだっ広い道路を走る。路側帯や歩道が広かったり、積雪用の中央分離帯や歩道境の空中標識を見ると北海道の道路だなあという気分になる。本数の少なさを示すように、乗客もこの区間はほとんどいない。工業地帯を結ぶ動脈の国道だけあって、トラックのすれ違いやドライブインが多い気がする。

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 名物ドライブイン。


 室蘭本線もこの区間は直線が多く、日本一の直線の線路として有名?(白老~沼ノ端だっけか)な区間もこの先にある。基本的に線路よりも国道が海側を走っているので、海の眺めは良いが直線的なので車窓はやや単調かも。

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 ようやく札幌まで100kmを切った。

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 北海道に来て見かけるとつい撮ってしまう。

 苫小牧市内に入ると煙突が車窓からも見え、工業地帯の色合いが濃くなる。苫小牧市営バスも並行するため本数が増加する。この辺りは市営バスのみ停車する停留所も多く、道南バスは急行運転のようになっている。

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 1時間半ほどで苫小牧駅に到着。駅脇には市営バスの立派なターミナルがあるが、道南バス等の民営バスはそこからは発着せず、駅前の路上から発車する。札幌駅への高速バスと新千歳空港への便がメインとなっているが、この地域のローカルバスであるあつまバスも並びのバス停から発車する。

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 イオン送迎バスがどう見ても元・東武バス。

★苫小牧駅1525→新千歳空港(国内線32番)1613
道南バス ¥600

 続けて来た新千歳空港行きはトップドアのバス。電車だと南千歳で乗り換える必要があり遠回りなため、バスのほうがやや便利。経路上の各停留所に停車するため、ローカル需要も兼ねている。本数は1時間に1~2本ほど運転されており便利である。

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 市街地を抜け、苫小牧市境近くのウトナイ湖・ゴルフ場ゾーンは自然が豊かな地帯でもある。千歳市内に入ると一旦国道36号と別れ、すぐに新千歳空港に到着する。次の便は乗り継ぎはギリギリだった。新千歳空港への到着は国際線ターミナル→国内線32番(空港北端)→国内線3番(南端)、出発は国内線32番→国内線3番→国際線と停車するため、国際線ターミナルで乗り換えたほうが楽だったかも......。

★新千歳空港1615→千歳駅1626
北海道中央バス ¥210
★千歳駅1635→三里塚小学校1733
北海道中央バス ¥710

 新千歳空港の滞在時間はわずか2分。もう少しゆっくりしたかった。新千歳空港からは普通であれば電車を使うところだが、実は千歳駅まで路線バスが1時間に2本程度運行されており、運賃も210円と鉄道の加算運賃つきの340円よりかなり割安である。所要時間も、新千歳空港から道なりに国道に出るだけのため、10分程度で千歳駅に到着する。
 千歳駅からは国道36号を経由し、福住・札幌とを結ぶ通称「千歳急行」。札幌から出る一般道の長距離路線は結構貴重。本数も1時間に1本程度は確保されているため、利便性も高い。この路線も広い道路をかっ飛ばす北海道らしい路線で、個人的にはオススメ。

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 恵庭・輪厚(わっつ)までは順調に走っていたが、北広島ICの手前あたりから詰まり始める。ちょうどこの先の札幌ドームでプロ野球開催だったので渋滞する......ということでもあるんだろうか。道路の情報板が「プロ野球開催」となっているのが面白い。

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 夕張に抜けるために大谷地ターミナルへと行こうと思ったので、乗り継ぎを調べて札幌市清田区に入ってすぐの三里塚小学校で降りることにする。この時点で定刻の10分ほど遅れていた。

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★三里塚小学校1751→大谷地駅1815
北海道中央バス[大69] ¥210

 次の夕鉄バスに乗り継ぐために大谷地駅へ。国道36号線から外れ、住宅街の中を抜けておよそ25分で到着した。
 夕張ではあまり買い物に期待できそうにないので、大谷地で買出しタイム。ここまで来て思ったが、新千歳空港~大谷地駅に高速バスが20分間隔で運行されていたことに今更ながら気づく。まあ、高速バスはなるべく乗らないという方針だったからいいか......

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★大谷地駅1840→夕鉄本社ターミナル1953
夕鉄バス[札幌急行線] \1,470

 大谷地は地下鉄駅にバスターミナルが併設されているタイプ。この黒地に色文字の案内板や書体は正に'70年代のセンスである。
 夕鉄バスはその一角の乗り場を使っている。30年以上前は鉄道路線(野幌~夕張本町)も運行していた。この札幌急行線もかつては札幌(大通)まで直通する夕張への幹線として賑わったが、最近になって新さっぽろ駅発着に短縮されてしまった。年々本数が削減されているように感じる。現在は札急線は6往復(土休日は5往復)が運行されるのみとなっている。というか昨年か一昨年の記憶と比べて夕張への最終便が1時間以上繰り上がってないか。

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 乗り場には夕鉄バスの路線案内図が出ているが、これがまた10年以上はお手入れしていなそうな素晴らしい物品。札幌中心部への乗り入れ線はもちろん、街もろともなくなってしまった大夕張や、現在も北海道中央バスが細々と運行する岩見沢がまだ残っている。あとは夏季の夕張市内観光路線なんてのも今はないのでは。

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 大谷地からは数人が乗車する。大谷地を出ると国道274号で上野幌駅を抜け、長沼町に入ると道道3号に入って一直線に夕張市を目指す。札幌市域はクローズドドアとなっているようで、長沼までは降車できない案内が流れるが、なぜか車内の運賃表には途中区間の運賃も表示される。なぜ。

 夜になって静かな長沼町役場を抜け、大谷地から45分で由仁駅(JR室蘭本線)に到着。ここで乗客の半分以上が降りてしまい、車内には5人程度が残るのみになってしまった。ここからは少しずつ山道になっていき、人家も少なくなっていくのか途中の乗降もまったくない。最後にトンネルを抜けると夕張の市街地に入る。突き当たりが石勝線(夕張支線)の線路で、右折してすぐの所が夕鉄本社バスターミナル
 鹿ノ谷駅から南に1kmと少しのところに、夕張駅や夕張の中心街からも離れている。そのため、札急線と接続するように夕張地域を南北に走る市内線が接続し、夕張の各地へと連れていってくれる。
 札急線から夕張各地へは降りるときに申告すると乗り継ぎ券が買える。夕鉄ターミナル+100円の運賃で良いらしく、1,570円の券が発行された。

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★夕鉄本社ターミナル2000→ホテルシューパロ2012
夕鉄バス (¥100)

 ターミナルからは基本的に南北へとそれぞれの便が接続するが、最終便は時刻が遅いこともあって北の夕張駅・市役所方面の社光(しゃこう)行きのみ接続する。ターミナルから乗り継いだのは自分を含めて2名のみで、市街地までノンストップだった。市内線もかつてはかなりの本数があったようだが、数年ごとに減便が続いて現在はおよそ1時間に1本程度になっている。乗ったバスは乗客数からするともったいないくらいの日野の大型車。乗務員席の後ろの仕切り棒が全くなく、カーテンが引かれているだけという珍しい構造だった。

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 やたらと静かな市街地を抜けると、街外れにあるのがホテルシューパロ。セイコーマートもさすがになく、食事できそうなところと見回してみると隣で居酒屋が営業していた。客数は少ないものの何とか営業中。回りの飲食店も閉じてしまった店が多いようで、景気の悪い話ばかりになってしまう。店のお兄さんに「次くるときまではツブさないで頑張って店を開いておきますから」と言われて店を後にしてチェックイン。また来よう。 

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★松風町(函館)708→長万部駅1013
函館バス ¥1,830

 まずは函館エリアから抜けることを目指す。札幌方面に向かうには2ルートあり、函館本線沿い(太平洋側)を走るルートと、江差・大成・北桧山を経由して桧山海岸(日本海側)に沿うルートの2つがある。後者はバスならではの経路だが、函館からの乗り継ぎは困難なのでまた次回に回すことにする。
 函館から長万部まではJR函館本線に沿って一般路線バスが走っている。100kmを超える長距離路線だが、今の世もそのまま残っているのは奇跡的と言えるだろう。函館の都市圏と言える途中の七飯(ななえ)・大沼までは平行する系統もあるが、それ以降は基本的にこの系統のみとなる。

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 松風町の停留所には、10月からの改正が貼ってあった。主に江差管内での減便がメインだが、今回乗車する長万部線も1往復削減となっている。

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 やって来たバスは昔ながらのトップドア車。調べてみると三菱の昭和62年車なので、今年で23年目という最古参グループの車だ。同じ路線で新鋭のノンステップ車ともすれ違ったが、さすがにそういうバスに3時間揺られるのはちょっと......

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 先は長い。

 基本的に国道5号に沿って進む。函館圏内では細かい乗降があったが、それも七飯の峠を抜けて大沼に入るあたりまでで、森に入ると乗客はわずかになってしまった。

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 いかめしで有名な森駅近く。森出張所で数分間休憩となる。

 ここから先、長万部までは噴火湾に沿って国道5号をひたすら走っていく。鉄道でも眺めが良い区間だが、バスの眺めも格別。海側に座るのがオススメ。

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 石倉、八雲、黒岩と過ぎて、国縫(くんぬい)からは国鉄瀬棚線の瀬棚から来た代替バスと合流して本数がやや多くなるが、ここまで来ると終点の長万部はもうすぐだ。森から先は鉄道と完全並行で、正直路線が分断されずに残っているのが不思議なレベルだが、近隣の大都市である函館までの買い物需要や、市街地に直通する点、またこまめに停車するところが
並行する函館本線も普通列車の数は多くないだけに、鉄道に負けているというわけでもないようだ。そもそも函館~長万部は鉄道だと2,100円のところがバスだと1,830円と割安になっている。途中から運賃の上がり方が緩やかになっているためだが、並行する鉄道よりも割安な一般バス路線というのは結構珍しい気がする。バスカードが使えるため、\2,000のバスカードを買って支払ってみた。

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▲最後は運賃表が凄いことに。

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 長万部駅は今乗ってきた長万部線のほか、瀬棚線代替バス、黒松内・寿都(すっつ)方面のニセコバスの3系統が発着するが、駅前ロータリーから出るのは瀬棚線のみで、それ以外は全て駅前通りからの発着となる。

「歓迎 おしゃまんべ」。普通は町の売りを大きく掲げるものだが、「ようこそドライブインの町へ」というのはどうなんだ。他に自慢するものはないのか。

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 それはそうと、長万部といえば有名な駅弁「かにめし」。駅の売店で注文することもできるが、結局店員が駅前の駅弁屋「かなや」まで買いに行ってくることになるので、どうせなら駅を挟んで道路向かいの直売所に行ってみよう。徒歩30秒。

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 うまい。個人的には北海道の数あるかにめし駅弁の中では随一だと思う。

 長万部というばもうひとつ「ざるそば」折り詰めの駅弁がある。特急北斗にも限定で積み込む変り種の駅弁だが、こちらは駅前の「合田」謹製。せっかくだからこちらも食べたかったが、まだ開店していなかったっぽいのであきらめる。太めのそばがウマい。写真は以前のもの(ざるそば550円、大盛り+100円)。

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★長万部1013→洞爺1049
JR室蘭本線 特急スーパー北斗

 ここから先は、函館本線(山線)側に向かい、黒松内・寿都(すっつ)・岩内・小樽経由でバスに乗り継ぎができるが、長万部~黒松内が1日2往復しか運行していない上に、山線の列車も本数が少なくてしばらく来ない。
 そのため、室蘭本線回りで札幌を目指すことになる。礼文華峠を越える長万部~礼文の間はバス路線のない地帯で、その先の礼文~洞爺もバスの本数が少ない上に特急も停まらないため、洞爺までワープ。

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 途中で秘境駅こと小幌を通過。

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 洞爺はサミットと洞爺湖温泉の最寄駅。駅前のパティスリーの洋菓子がうまい、らしい。

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 ここでバスに乗るのは、いつもだと洞爺湖温泉へと向かうときだが、今回は室蘭本線に沿って国道37号を走るバスに乗ってみる。洞爺湖温泉~洞爺駅~室蘭駅は1日に6往復程度だが、実際は区間便も様々に運行されており、各区間とも1時間に1本程度は確保されている。

★洞爺駅1132→東室蘭西口1258
道南バス ¥1,010(多分)

 やって来たのは日野の大型車。座席が2+2の座席数の多いタイプだ。

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 人口の希薄っぽい地帯は洞爺~伊達紋別の一部区間くらいで、先ほどのバスより明らかに途中での乗り降りも多い。
 伊達紋別駅(道南バスではなぜか「伊達駅」)では、国鉄胆振線の代替バスに乗って倶知安に抜けることも可能だが、時間が合わないためパス。そのままバスは国道37号線に沿って南下するが、海岸に近い鉄道よりも山側を走るため、海は臨めない。
 途中で室蘭の市街地に直接抜ける白鳥大橋を横に見る。このバスも室蘭行きだが、鉄道に並行して東室蘭に一旦向かい、方向転換して室蘭に行く。この橋を渡るバスもわずかだがあるようなので、一度は乗ってみたいもの。

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 東室蘭に近づくと工業地帯と市街地が近づき、かなり大きい都市であることを伺わせる。田舎のバスというよりも市街地近郊のバス路線といった趣になってきた。
 このままバスを乗り継ぐ場合は、道南バスの東室蘭のターミナルである東町ターミナルまで乗るところだが、時間の都合で東室蘭西口で下車。東室蘭駅西口のことなのだが、なぜか「駅」が抜けているのが面白い。
 東室蘭の駅は知らない間にご立派な橋上駅舎が建っていた。

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★東室蘭1313→登別1331
JR室蘭本線 普通

 東室蘭~登別温泉は1時間に1本は確保されているため乗りやすいのだが、乗り継ぎの時間が微妙に悪く、そのままだと後続の行程がマズくなりそうだったので普通列車でワープ。札幌近郊ではあまり見なくなった711系だ。高校生の帰りの時間帯とあたったためか乗り降りが多い。

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★登別駅1333→登別温泉1346
道南バス ¥330
 
 先行する室蘭→登別温泉の路線バスに追いついたが、それの直前に登別~登別温泉~足湯という短距離運転のバスが運転されているので、それに乗ることにした。もう少しダイヤを均等化したほうが良さそうな気もするが......
 室蘭本線の苫小牧・札幌方面ホームからは目の前の改札を出るとすぐにバス乗り場なので、電車から降りて1分以内に乗り継ぎが可能。

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 登別駅か温泉街までは13分程度。途中で鬼が出迎えてくれる。バスは温泉街に向かう客で満員だった。この短距離で330円というのは他と比べるとかなり高い気がするが、稼ぎは良さそうなので仕方のないところか。

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 温泉街の中央が道南バスのバスタミーナルになっており、一般路線バスのほか、札幌等への高速バスも発着する。
 
「非営業」というのはちょっと面白い。

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 ここから苫小牧へのバスへと乗り継ぐことにする。


 10月1日は路線改編の時期。北海道絡みでは、国鉄湧網線代替バスが佐呂間町の補助金打ち切りにより廃止(短縮)されることが決まり、それ以外に佐呂間に行く路線バスもほぼ全廃される。ということで、思い立って北海道へ。せっかくなので函館に上陸し、「なるべく電車も高速バスも使わない旅」と称してオホーツク海を目指すことにする。

★函館空港 1920→大森町 1940
函館帝産バス ¥350

0_01.jpg 空港到着後、帝産バスで函館中心街に。函館エリアは函館市交通局のバス事業廃止後は函館バスに統一されているが、空港とフェリーターミナル関連だけは別の事業者も運行している。トップドアの観光車がやって来た。飛行機の到着が遅れ気味だったため、バスも遅れての発車となった。
 いつも思うんだが、函館空港の最終便は全体的に早くないだろうか。21時台着くらいがあると便利だと思うのだが......。


★松風町→(市電)→十字街
★十字街 2012→函館山 2030
函館バス ¥320

0_02.jpg 夜は少し時間があるので、せっかくなので函館山に行ってみる。函館山へのアクセスは多くの人が利用するロープウェイの他、夜間帯のみ函館駅から山頂まで直通するバスが運行されている。

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 東急バスにそっくりという以外の見た目は普通の路線バスだが、なんと昔の車掌よろしくバスガイドが乗車し、観光ガイドも行ってくれる。その他、函館山の山頂へと向かう急坂に入ると車内の灯りを消し、途中の夜景スポットでは減速するというサービスつき。道路も2車線がやっとで所々交互通行になっているなど、路線環境もハードで面白い。運賃もロープウェイが片道640円なのに対して、十字街からはおよそ半額の320円(函館駅からは360円だったはず)でオススメ。かつては函館市交通局が運行していたように記憶している。夜間帯のみ30分間隔で運行している。
 途中、対岸の下北半島(大間)の灯りが見える。ここから対岸までは目と鼻の先。

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 相変わらず山頂は人だらけ。観光バスが乗り入れすぎ。そして写真屋の営業もすごすぎ。展望ビルに絶滅危惧種だと思っていたメダル刻印機があった。このPC-8801レベルの画面がたまらんですね。

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 帰りはロープウェイ。ちょうど運よくロープウェイシャトルバスが待っていた。山頂に向かうバスとは別に、函館駅~ロープウェイ駅を結んでいる。夜間は30分毎だが、ここから市電の十字街電停までは大した距離ではない上に帰りは下り坂なので市電に乗ったほうが楽だろう。しかも登山口から函館駅は短距離なのに初乗り運賃で済まず\230になってしまうのはどうかと思う。

★登山口2115→函館駅2125
函館バス \230

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 函館駅に到着。函館バスといえばおなじみ「すみません回送中です」。

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 そしてラッキーピエロ。地場のハンバーガー屋として有名だが、ここのカレーはホッとする味。(写真はチャイニーズチキンバーガー)

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方向幕本入稿

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たまにはオフセで作ってみるか、と思って色々と写真を追加したりして入稿した。
#春に出してさっさと在庫がなくなってしまった幕順表のアップデート版です。
Wordでオブジェクトの回転やら透過をやらを重ね合わせて印刷出力したら超絶にバグった画像になってしまったので、軽量化や他の手段を試して何とか表紙出力完成。
さて、これであとは時刻表(マズイくらいにまったく手をつけてない)だ!
・・・土日でやるか。
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新刊

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メイン新刊が無事に入稿完了。車輌一覧は入稿が既に終わっているので、後は幕本関係...
...。
本当は1冊で済ませたかったのだけれど、内容肥大化につきどう見ても150p.を超える内容になってしまうので、分冊化することに。

内容は都営バスを扱った路線図っぽいものであれば何でも取り上げてみるというもので
結局のところコレクション披露みたいになった。
上巻ということで、大正14年~昭和28年までの路線図を年代順に取り上げ。
タイトルロゴを作っていただいた友人に感謝。
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 時々聞かれるのが、「Wikipediaの都営バスの項とかを編集はしているんですか?」という質問。
 
 念のために言っておくと、Wikipediaで一切編集はしていないし、これからするつもりも全くない

 Wikipediaは読み物としては面白いし、鉄道のジャンルに関してはファン層の裾野が広いこともあって、車輌・路線についても、それなりにレベルの揃った記事が作られていると思う(私見)が、ことバスに関してはお寒い状況と言うほかはない。

 都営バスの項も、昔よりは幾分マシになったとは思うが、基本的な記述に誤りがあったり、書くべきところを書かないで瑣末な部分を記載していたりと、個人的な感想でよければ100点満点で言うところの50点くらい。自分のサイトから誤植した日付のまま歴史をコピペしているのが昔あったのを思い出す。

・各人が好き勝手に編集できるため、絶対的な編集者の不在によるレベルの低下
・そもそもバス会社の概略や詳細な解説を書ける質の高い書き手の数の少なさ
→鉄道に比べて一番痛いのがここだろう。
・「何を百科辞典の記事として載せるか」という記載レベルの不統一さ
・事実誤りの記載の放置
→細かい体裁や記法の編集をするよりも、内容をチェックするほうが先なのでは。

 Wikipediaにおいては、検証可能性を満たさないものやら独自研究やらは載せないことになっていたと思うが、そもそもの資料が少ないバス関係の記述では、それを満たして記載するほうが難しい。車輌一覧が公的な書籍に載ることは少ないし、路線の歴史に至っては今からでは残っていないものも多く、わずかな内部資料や当時の同人誌が頼りという状況も大いにありうる。

 個人的には、都営バスの各営業所の項に載っている歴史については、書いた人に当然検証可能な証拠(自分のサイトや同人誌以外の)があるんですよね、とぜひ聞いてみたい。たとえば今とりあえず開いてみた、江戸川営業所の[錦25]の「終戦時には錦糸町-三角が存在」とか「東西線開通前は閑散時間帯が存在しないほどの高頻度で運行されていたが」とか。後者は多分誤りだと思うけど(昭和43年の乗降客数調査の資料だとそこまでの本数はなかったはず)。前者は歴史をしっかり調べてきた人なら答えられるはず。「江戸川営業所として新設した路線」になんで[錦27]があるのかも不明だな、これ。
 [西葛20]の説明文も何の説明もなしに過去の[新小20]の話をいきなり始めているおかげで意味不明な文章になっているし。[西葛22乙]という存在しない路線をネツゾーしないでほしい。

 編集合戦やら横槍の相手を考えているくらいなら、自身の研究・取材や本作りに時間を使ったほうがよっぽどいいと思っているため、自分がWikipediaの編集に携わることはまずないだろう。
 こと、バスの歴史や車輌に関しては、信頼のおける人たちの間で議論して歴史を解明していったほうがマシだと思っている。

 ということで、底意地悪く(?)、改めて「都営バス」の項のおかしいところや直したほうがいいところを勝手に見ていくことにしようかと思う。

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