京急の新ダイヤはイケてない?(4)

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今日は京急1000形電車の最終日だった。いつの間にか8連運用がなくなり、普通運用でしか見かけることがなくなっていったが、どうも長い間お世話になりました。

ということで、前の続き。
ダイヤ改正後の平均所要時間テーブルを算出してみたが、それに対応するダイヤ改正前の平均所要時間テーブルを作り、貼り付けてみた(リンク)。合っているかどうかはいまひとつ自信がないが、後で必要があれば見直したい。

赤字は悪化部分、黒字(青字)は良化部分となる。また、そもそもの平均所要時間の誤差が最大1分程度あることや、スピードアップ・ダウン(たとえば、天空橋~羽田空港はダイヤ改正後は国際線ターミナル駅の開業を見越した所要時間となっているため、1分程度長めに取られている。逆に、蒲田→品川の上り快特はスピードアップしている)による所要時間変更もあるため、平均で2.5分までの所要時間の増減は大きくは扱わず、それを超える増減があったところを、悪化は赤色地、良化は青色地で示した。

一見すると赤字/赤地が多いが、その中身を見ていこう。

・快特停車駅間(八景を除く)はほぼ増減がない。これは、快特10分間隔というのが堅持されているので、増減するポイントがないためだろう。
・全駅から久里浜以南が悪化している。これは、新ダイヤでは久里浜以南の交換や待ち時間が増えて所要時間が延びているため。

・快特駅(品川、蒲田、川崎、横浜、文庫、横須賀、堀ノ内~久里浜)から発、もしくは快特駅着となる移動については、一部の普通停車駅を除き、大幅に悪化したケースは少ない。
→それだけに、北品川・新馬場・生麦~新子安・黄金町・屏風浦・富岡のように、対快特停車駅の移動が悪化している駅は大きな不満になるだろう。

・品川~蒲田の途中普通駅からの乗車は軒並み大幅に悪化している。先ほどの項で述べた平和島のダブル退避で利便性が非常に悪くなっているため。特に、品川~蒲田から川崎~横浜への小駅移動は悲惨な悪化具合となっている。

・羽田空港は全駅で移動が悪化。国際線ターミナル駅による時間増を1分差し引いたとしても、品川・青物横丁・空港線内各駅・新町・八景を除き平均所要が基準を下回って悪化している。エア快の蒲田通過とエア急の鈍足効果が効いていると思われる。特にエア快の通過は痛い。

・ではエア急はどのような良い効果があるかと見ると、鶴見・仲木戸・新町の利便性が改善されていることと、空港線小駅→蒲田以南の移動が改善されているところだろう。
→逆に、横浜以南では、日ノ出町・井土ヶ谷・弘明寺・杉田・能見台の急行各停車駅は大きな改善効果か見られない。
→むしろ、黄金町・屏風浦・富岡の赤地(大幅悪化)が目立つ結果となっている。この辺りにおいて、最も大きな需要である横浜→各駅の移動が悪化した駅が多いのもマイナスポイント。横浜→屏風浦・富岡の利用客は少しかわいそう。

・八景の快特停車は効果てきめんで、ほぼ全駅で大きな効果を挙げている。特に、逗子線各線から八景以南への移動は非常に接続が良くなっており、ここに停車させた意義は大きいと見るべきだろう。

とりあえず雑感としては、こんな感じ。

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ここで、その駅の悪化評価値(下り方面)として、平均所要時間の変化値を平均したものを計算しよう。ある駅の下り方面の悪化平均値は、(∑(n駅→ある駅所要時間悪化値)+∑(ある駅→n駅の所要時間悪化値))÷駅数で求められる。

本当は、その駅間を移動する旅客数(ODペア)に応じて重み付けをする必要がある。たとえば、A駅→B駅は10万人、A駅→C駅は1万人の移動があったとしたら、A駅→B駅の所要時間の変化はA駅→C駅の単純に言えば10倍価値があると見なせるが、ODペアが手元になく、全区間の和をとった平均でも簡単なトレンドは見えてくるため、とりあえず計算してみよう。

良化した駅(平均1分以上短縮)は6駅。多い順に新逗子・神武寺・六浦・八景。というか全部逗子線の駅......。次いで大鳥居・糀谷・神奈川新町・鶴見と続く。空港線は接続改善で良化しているが、上りの品川方面は接続でかなり悪い部分があるため、順位が変動しそうである。
悪化した駅(平均1分以上延長)は24駅。多い順に北品川・新馬場・羽田空港・新子安
子安・生麦・三崎口・神奈川・三浦海岸・長沢・津久井浜・花月園前・八丁畷・黄金町・大森町。見事に普通駅ばかり並んでいる。合間合間に前述の久里浜以南が入る感じ。

こうしてみると、久里浜以南や悪化や逗子線の改善を差し引いたとしても、一言で言えば「急行停車駅・八景を少し優遇して、普通停車駅を大幅に悪化させ、自線内から羽田空港への速達性を消したダイヤ改正。なお快特相互駅間は大して変更なし」と言えるような気がする。つまるところプラスとマイナスが釣り合っていない。
もちろん改善できるところや、ムリなところが混在しているとは思うが、ここでは改善方法についてまでは考慮の対象外としたい。

上りダイヤを同様に評価することで、より正確に評価できると思うが、とりあえず今回はここまで。

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新ダイヤでは久里浜以南の交換や待ち時間が増えて所要時間が延びているため

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