★枝幸ターミナル 10:15→雄武 11:25
宗谷バス ¥1,930
枝幸ターミナルで待つこと45分、やって来た雄武(おうむ)行きのバスはさっき乗った枝幸行きと同じバスだった。どうやらターミナルで少し休憩になっただけで、運用は通しのようだ。それなら1本にまとめての運行にしてしまえばよいと思うのだが・・・。
待合室には数人がおしゃべりに花を咲かせていたが、ほとんどはその1本前の浜頓別行きに乗ってしまったため、雄武ゆきに乗り込んだのは3人程度だった。
ここからは鉄道の延長がついに果たせなかった区間を走る。国鉄の路線名が興浜北線(浜頓別~北見枝幸)・南線(雄武~興部)と名乗っているのを見れば分かるが、最後には両者をつなげて連結する予定だった(参考)。路盤など工事は一部完成していたが、オイルショック時の建設凍結以降、ついに再開することはなく、つながるはずの両線とも昭和60年に廃止された。
ということで、ここだけ 国鉄線の廃止代替ではない。その証拠に、運賃がかなり高い。枝幸~雄武はおよそ50kmあり、先ほどの天北線の稚内~鬼士別とほぼ同じ距離がある。しかし、運賃は天北線の該当区間が1490円なのに対し、こちらは1930円と3割弱高い。国鉄線の代替は運賃についても緩和措置や補助が出ているからだと思われるが、正直この区間は別格に高い感じがした。
バスは国道に沿ってオホーツク海に戻ると、あとは海岸沿いを一直線に南下する。景色は相変わらず上々。
集落の名前(オッチャラベ)。橋の名前は漢字が当てられていたが最早読めない。
「コイトイ」を過ぎると、次の町である雄武町に入る。特にトンネルや橋があるわけではなく、集落の外れのところで境界線を引いた感じである。と言っても、先の枝幸町は宗谷支庁、こちら雄武町は網走支庁の最北の町であり、次のエリアに入った雰囲気になった。この辺りでは集落ごとに1人2人と乗客があり、街の中心地への需要があるようだ。
まだ網走までの先は長い・・・。
雄武には明確なターミナルがなく、この宗谷バスは中心を少し過ぎた雄武国保病院が終点となる。逆に、ここから乗り継ぐ紋別方面は枝幸寄りの雄武高校入口が起点で、そこから国保病院を経由して南へと向かう。
この区間は2路線が併走し、すれ違う姿も見られる。
どこで乗り継ごうかと思ったが、車内アナウンスに乗り継ぎの案内があったため、道の駅雄武で降りることにした。
道の駅雄武(停留所表記は「雄武」)には2路線のポールが並んでいる。道の駅の中には待合所や休憩所もあり、実質的なターミナルの役割を担っている。ただし、発券窓口などはない。
「ここでしか売っていない」につられて買ったダッタンそばコロッケ。コロッケの中はそばを練りこんでいるのか、やや緑色だった。風味が香る感じでかなりウマい。
セットの冷やしそばとともに。
休憩所の脇に、かつての国鉄の資料や写真が展示されていた。ここ雄武は興浜北線の終着駅でもあった。町名は「おうむ」だったが、駅名は「おむ」。
★雄武 11:49→紋別バスターミナル 13:00
(興浜南線・名寄本線代替)北紋バス ¥1,210
ここで宗谷バスとはお別れし、紋別を中心に路線を持つ北紋バスに乗り換える。やって来た紋別行きはふそうの前中扉の一般路線バスタイプだった。
道の駅自体が国道沿いにあるため、今回はすぐに国道に戻り、そのまま238号線を南下する。市街地を抜けると牧場が今までよりも目立つようになった。海沿いの牧場に放牧されている姿も。
途中、オホーツク海に昇る朝日が美しい日の出岬(http://www.oumukankou.com/hinode.html)に立ち寄る。観光やキャンプの名所なだけあって、数人が下車していった。
この岬を過ぎるとすぐに紋別市に入り、最初の町である興部(おこっぺ)に入る。興浜北線は雄武~興部の19.9kmと短い路線だが、代替バスはそのまま元の名寄本線に入り、市の中心地である紋別まで直通する。
興部にはバスターミナルがあり、名寄本線の代替バス(名寄~興部)と各便が接続している。鉄道時代は、名寄本線(名寄~興部~紋別~遠軽)と盲腸線の興浜北線(雄武~興部)で成り立っていたが、代替後は●名寄~興部 ●雄武~興部~紋別 ●紋別~遠軽のように3分割された。名寄側から来た場合は興部で乗り換えることになるが、オホーツク海沿いの流動が強いのだろうか。
興部を抜けて沙留(さるる 読めない......)の町を過ぎると、渚滑(しょこつ)川を渡る。この辺りから紋別の中心街に入ることになるが、建物の姿も目につくようになり、稚内以来、久々の大きな街に来た感じがする。
終点の紋別バスターミナルはかつての駅跡地にあり、立派な建物になっている。しかし北紋バスの発券窓口はなく、売店もない。オホーツク紋別空港が近いため、航空券の取り扱いはあり、また札幌・旭川方面の高速バスが何往復も発着するために、道北バスの窓口はあるのだが、なぜか地元の北紋バスの窓口はない。立派だがどことなく寂しい感じのするバスターミナルである。
また、ここに発着するのは郊外線のみで、市内線は道路を1本挟んだ路上の幸町5丁目に停車し、ターミナルには入らない。どうせターミナルの発着レーンは余っているのだから入ればいいのにと思っていたら、どうやら10月から市内線を集約して分かりやすくし、同時にターミナルにも乗り入れる実証実験を行うようだ(http://www6.ocn.ne.jp/~hokumon/hokumon/0910_jyun.pdf)。この方がずっとマシだろう。
その間は従来の市内線は運行を休止する。せっかくなので、今までの路線に乗っておこうと幸町5丁目からしばらく乗ってみることにした。
★幸町5丁目 13:11→旭団地 13:28→幸町4丁目 13:42
北紋バス \280+\280
やって来たバスは専用の小型車で、乗客は数人。乗車した旭団地線は市内を南北に結ぶ路線で、方向幕のS・Cとはショッピングセンターの略である。両側ともラケット状の循環で折り返すようになっているようで、終点を通して乗れるようになっている。
市街地を左右に曲がり、住宅地を回りながら終点の旭団地に到着する。ここまで走るとかなりの町外れになる。ここで乗務員交代となり、すぐに市内方面として折り返して発車した。折り返しは幸町5丁目を過ぎ、物産館(オホーツク海紋市場)のある幸町4丁目まで足を伸ばすことにした。
ここで昼食。じゃらんプロデュースの地元の新名物「ホワイトカレー」を食べてみることにする。地元の某氏おすすめの海紋市場併設の「蔵」という料理屋に入った。地元のじゃがいもや、海産(カニ、ホタテ、カキフライ)があしらわれたカレーで、コクがあって美味。出てくるまで少々時間がかかったのが残念だが......。
現在はプロデュース第二弾として貝柱の塩ラーメンを開発したらしく、そちらもメニューに載っていた。
--
思ったこと。
上のリンクのPDFでは、地図上に各停留所の位置や時刻表、運賃が分かりやすく示されている。個人的には、バス会社に載せる案内としてはこれらの情報は必須だと思っているのだが、今回の乗り継ぎを調べるにあたってもその基本すらできていない事業者がほとんどだった。
さすがに時刻表を載せていない事業者はないが、多くは主要停留所のみで、どこの停留所に停まっていくのかすら明らかでない。もちろん主要停留所以外の時刻は分からないことになる。
さらに路線図を載せているのは少数派で、よくて概略の線図が引いてあるだけで、それぞれの路線が地図上でどの経路を走り、どこに停車するのか全く分からない。どこを走っているのかというのは基本中の基本の情報だと思うが、それすら満足にできていない。
上の紋別バスターミナルから幸町五丁目の乗り継ぎも、現地に案内の張り紙が1枚あるだけで、Web上ではこれらの情報はほとんど分からない。その後の市内線の経路に至っては市内線時刻表の脇に小さく書かれた概略図だけで、どこを走るかという理解にはかなりの推理が必要だ。
これでバスを利用してもらおうという気になっているのか、はなはだ疑問だ。元々地元の人しか相手にしていないのかもしれないが、地元の人でさえも他の路線を分かっているのだろうか。それとも、固定の路線しかどうせ使わないからいいよと思っているのだろうか。移動にバスの利用を車内ポスターで呼びかける前に、もう少しやることがあるのでは? と思う。
宗谷バス ¥1,930
枝幸ターミナルで待つこと45分、やって来た雄武(おうむ)行きのバスはさっき乗った枝幸行きと同じバスだった。どうやらターミナルで少し休憩になっただけで、運用は通しのようだ。それなら1本にまとめての運行にしてしまえばよいと思うのだが・・・。
待合室には数人がおしゃべりに花を咲かせていたが、ほとんどはその1本前の浜頓別行きに乗ってしまったため、雄武ゆきに乗り込んだのは3人程度だった。
ここからは鉄道の延長がついに果たせなかった区間を走る。国鉄の路線名が興浜北線(浜頓別~北見枝幸)・南線(雄武~興部)と名乗っているのを見れば分かるが、最後には両者をつなげて連結する予定だった(参考)。路盤など工事は一部完成していたが、オイルショック時の建設凍結以降、ついに再開することはなく、つながるはずの両線とも昭和60年に廃止された。
ということで、ここだけ 国鉄線の廃止代替ではない。その証拠に、運賃がかなり高い。枝幸~雄武はおよそ50kmあり、先ほどの天北線の稚内~鬼士別とほぼ同じ距離がある。しかし、運賃は天北線の該当区間が1490円なのに対し、こちらは1930円と3割弱高い。国鉄線の代替は運賃についても緩和措置や補助が出ているからだと思われるが、正直この区間は別格に高い感じがした。
バスは国道に沿ってオホーツク海に戻ると、あとは海岸沿いを一直線に南下する。景色は相変わらず上々。
集落の名前(オッチャラベ)。橋の名前は漢字が当てられていたが最早読めない。
「コイトイ」を過ぎると、次の町である雄武町に入る。特にトンネルや橋があるわけではなく、集落の外れのところで境界線を引いた感じである。と言っても、先の枝幸町は宗谷支庁、こちら雄武町は網走支庁の最北の町であり、次のエリアに入った雰囲気になった。この辺りでは集落ごとに1人2人と乗客があり、街の中心地への需要があるようだ。
まだ網走までの先は長い・・・。
雄武には明確なターミナルがなく、この宗谷バスは中心を少し過ぎた雄武国保病院が終点となる。逆に、ここから乗り継ぐ紋別方面は枝幸寄りの雄武高校入口が起点で、そこから国保病院を経由して南へと向かう。
この区間は2路線が併走し、すれ違う姿も見られる。
どこで乗り継ごうかと思ったが、車内アナウンスに乗り継ぎの案内があったため、道の駅雄武で降りることにした。
道の駅雄武(停留所表記は「雄武」)には2路線のポールが並んでいる。道の駅の中には待合所や休憩所もあり、実質的なターミナルの役割を担っている。ただし、発券窓口などはない。
「ここでしか売っていない」につられて買ったダッタンそばコロッケ。コロッケの中はそばを練りこんでいるのか、やや緑色だった。風味が香る感じでかなりウマい。
セットの冷やしそばとともに。
休憩所の脇に、かつての国鉄の資料や写真が展示されていた。ここ雄武は興浜北線の終着駅でもあった。町名は「おうむ」だったが、駅名は「おむ」。
★雄武 11:49→紋別バスターミナル 13:00
(興浜南線・名寄本線代替)北紋バス ¥1,210
ここで宗谷バスとはお別れし、紋別を中心に路線を持つ北紋バスに乗り換える。やって来た紋別行きはふそうの前中扉の一般路線バスタイプだった。
道の駅自体が国道沿いにあるため、今回はすぐに国道に戻り、そのまま238号線を南下する。市街地を抜けると牧場が今までよりも目立つようになった。海沿いの牧場に放牧されている姿も。
途中、オホーツク海に昇る朝日が美しい日の出岬(http://www.oumukankou.com/hinode.html)に立ち寄る。観光やキャンプの名所なだけあって、数人が下車していった。
この岬を過ぎるとすぐに紋別市に入り、最初の町である興部(おこっぺ)に入る。興浜北線は雄武~興部の19.9kmと短い路線だが、代替バスはそのまま元の名寄本線に入り、市の中心地である紋別まで直通する。
興部にはバスターミナルがあり、名寄本線の代替バス(名寄~興部)と各便が接続している。鉄道時代は、名寄本線(名寄~興部~紋別~遠軽)と盲腸線の興浜北線(雄武~興部)で成り立っていたが、代替後は●名寄~興部 ●雄武~興部~紋別 ●紋別~遠軽のように3分割された。名寄側から来た場合は興部で乗り換えることになるが、オホーツク海沿いの流動が強いのだろうか。
興部を抜けて沙留(さるる 読めない......)の町を過ぎると、渚滑(しょこつ)川を渡る。この辺りから紋別の中心街に入ることになるが、建物の姿も目につくようになり、稚内以来、久々の大きな街に来た感じがする。
終点の紋別バスターミナルはかつての駅跡地にあり、立派な建物になっている。しかし北紋バスの発券窓口はなく、売店もない。オホーツク紋別空港が近いため、航空券の取り扱いはあり、また札幌・旭川方面の高速バスが何往復も発着するために、道北バスの窓口はあるのだが、なぜか地元の北紋バスの窓口はない。立派だがどことなく寂しい感じのするバスターミナルである。
また、ここに発着するのは郊外線のみで、市内線は道路を1本挟んだ路上の幸町5丁目に停車し、ターミナルには入らない。どうせターミナルの発着レーンは余っているのだから入ればいいのにと思っていたら、どうやら10月から市内線を集約して分かりやすくし、同時にターミナルにも乗り入れる実証実験を行うようだ(http://www6.ocn.ne.jp/~hokumon/hokumon/0910_jyun.pdf)。この方がずっとマシだろう。
その間は従来の市内線は運行を休止する。せっかくなので、今までの路線に乗っておこうと幸町5丁目からしばらく乗ってみることにした。
★幸町5丁目 13:11→旭団地 13:28→幸町4丁目 13:42
北紋バス \280+\280
やって来たバスは専用の小型車で、乗客は数人。乗車した旭団地線は市内を南北に結ぶ路線で、方向幕のS・Cとはショッピングセンターの略である。両側ともラケット状の循環で折り返すようになっているようで、終点を通して乗れるようになっている。
市街地を左右に曲がり、住宅地を回りながら終点の旭団地に到着する。ここまで走るとかなりの町外れになる。ここで乗務員交代となり、すぐに市内方面として折り返して発車した。折り返しは幸町5丁目を過ぎ、物産館(オホーツク海紋市場)のある幸町4丁目まで足を伸ばすことにした。
ここで昼食。じゃらんプロデュースの地元の新名物「ホワイトカレー」を食べてみることにする。地元の某氏おすすめの海紋市場併設の「蔵」という料理屋に入った。地元のじゃがいもや、海産(カニ、ホタテ、カキフライ)があしらわれたカレーで、コクがあって美味。出てくるまで少々時間がかかったのが残念だが......。
現在はプロデュース第二弾として貝柱の塩ラーメンを開発したらしく、そちらもメニューに載っていた。
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思ったこと。
上のリンクのPDFでは、地図上に各停留所の位置や時刻表、運賃が分かりやすく示されている。個人的には、バス会社に載せる案内としてはこれらの情報は必須だと思っているのだが、今回の乗り継ぎを調べるにあたってもその基本すらできていない事業者がほとんどだった。
さすがに時刻表を載せていない事業者はないが、多くは主要停留所のみで、どこの停留所に停まっていくのかすら明らかでない。もちろん主要停留所以外の時刻は分からないことになる。
さらに路線図を載せているのは少数派で、よくて概略の線図が引いてあるだけで、それぞれの路線が地図上でどの経路を走り、どこに停車するのか全く分からない。どこを走っているのかというのは基本中の基本の情報だと思うが、それすら満足にできていない。
上の紋別バスターミナルから幸町五丁目の乗り継ぎも、現地に案内の張り紙が1枚あるだけで、Web上ではこれらの情報はほとんど分からない。その後の市内線の経路に至っては市内線時刻表の脇に小さく書かれた概略図だけで、どこを走るかという理解にはかなりの推理が必要だ。
これでバスを利用してもらおうという気になっているのか、はなはだ疑問だ。元々地元の人しか相手にしていないのかもしれないが、地元の人でさえも他の路線を分かっているのだろうか。それとも、固定の路線しかどうせ使わないからいいよと思っているのだろうか。移動にバスの利用を車内ポスターで呼びかける前に、もう少しやることがあるのでは? と思う。
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