DQ9がとりあえず一段落の巻

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ドラクエ9をとりあえずクリアした。
一応クリアしていったといいだろう。エンディング流れたし。
50時間ほどプレイ。
原稿がこの一週間進んでなくてヤバいことこの上なし!

以下いくつかネタバレ(ストーリー上重大なバレは無し)

■総合評価

 一言で言うならば、結局のところいつも通りに楽しめるドラクエだった。amazonで変な評価のつき方をしているが、安心してエンディングまで進められた。
 100点満点中で85~90点はつけても問題ないと思うし、買った値段分は十分に楽しめるソフトだと言える。残念ながら他の人とプレイできる環境が、大きなウリとなっているマルチプレイやすれ違い通信を全く行えていないが、それを抜いても個人的には十分楽しめた。

 ドラクエらしさがどういうところに感じるかについては人によって違うと思うが、個人的には以下の点を満たしていて、しっかりと一つの世界の中にまとまっているのがドラクエらしさだと思っている。
・軽妙なテキスト(+シナリオ)
・ほどよいバランスの戦闘
・すぎやまこういちの音楽
・お約束の敵と呪文
今までの1~8についても、以下の点はおおむね満たしていたと思うが、9はどうかということであれば、やはり同様に満たしているゲームだと思う。

■DSで出たことについて

 一旦携帯機に慣れると、腰をすえて据え置き機でやるのが非常に億劫になる。寝ながらでも外でも少しずつ進められるというのは本当にありがたい。フタを閉めればスリープモードになるし、どこでも中断セーブもあるので、特にやめ時に困ることもない。
 ここ2~3年はやるゲームが携帯機ばかりになっていて、DSのRPGもかなり数が増えてきたのでありがたく遊んでいる。
 DSは解像度がやや荒いが、画面が綺麗 ⊃ ゲームが面白い は成り立たないと思っているので、さしたる問題ではないと思う。もちろんドット数が多ければ情報量が増えて色々と表示できるようになるが、それほどこういったゲームにおいて重要なものではないと思う。
 カーソルの操作性がよいので、タッチペンは特に使う必要性はなかった。装備品変更時もタッチペンで直感操作ができるが、使用機会はなし。

■とりあえず残念な点。

 セーブが1つ。クリア後のデータを残しつつ新規に作ることができない(バックアップツールを使えば可能だろうが)。もっとも、今まで途中で残したセーブを活用することがあったかというと、ここ10年くらいではクロノトリガーのマルチエンディングを見るために活用した記憶くらいしかないので、
 バックアップは二重以上に取られており、DSのセーブデータが消えることは今まで体験がないので、1つしかないという恐怖は特に感じない。
 カジノがない。これは素直に残念(マルチプレイ時の処理が大変だったのか?)。よく考えたらいわゆるミニゲームのようなものはほとんどない。

■シナリオ

 話の筋は分かりやすく、厨二病すぎることもなく、「女神の果実」を集める部分の個々のエピソードはそれぞれの人間の負の面に焦点を当てるもので、ドラクエ6や7のエピソード群を彷彿とさせるような、堀井雄二らしいダークでちょっぴり考えさせられるシナリオはなかなかのもの、と言える。
 ただし、果実を集めた後、特に魔城からの展開......ラスボスを倒した後の展開は唐突というか10年前のエヴァの映画版の後半というか、これで本当にグッドエンディングなのかという感がある。今回はエンディング=このゲームの終わりではなく、ある意味、話の一区切りでしかないので、従来のようなエンディングを想像していた人は肩透かしかもしれない。

 いまひとつの部分は、仲間の扱いについて。
 3のように完全に仲間キャラを自由に創造するわけだが、イベント時に空気なのは仕方ないとして、仲間とともに冒険をする動機付けや、人間であるはずの仲間が天使界に同行したときの処理が適当なのが気になった(天使界においては主人公しか画面上には見えないが、仲間は存在はしていることになっている)。堀井雄二らしくないというか......。
 3のときはバラモスを倒すという明確な目的があってその仲間を募るが、今回はそういったものがその時点ではないので、とりあえず旅をするのに仲間を募集できるような世界観なのだろうと脳内補完することにする。
 
 テキストはいつも通りの質を保っているようにおもう。ドラクエは町の人全部に話しかけてみたくなるようなRPGだと思っているが、この部分は健在。従来であれば事件解決前-解決後の2パターンのせりふだったのが、ストーリーの進行によって数段階に分かれるようになったので町を回る楽しみが増えたかもしれない。

■システム

 今までの戦闘や細かい仕様が色々と変更されている。例えば戦闘においては以下の通り。
・呪文に会心/痛恨がある
・盾装備で攻撃/呪文を低確率でガード可能。会心/痛恨もガード可能(敵もガード)

・ギラ/デイン系引退
・多くの特技にMPが必要になった
・攻撃魔力、回復魔力の新設。能力値の種類の全体的な見直し
・獲得経験値はドラクエ3と同様、仲間の人数が少ないほど高経験値となる。ただし、メンバーのレベルに応じて比例配分するため、Lv30,30,30,1のパーティだとLv1の獲得できる経験値はとても少ない

 多くはバランスを改善する方向に働いていると思う。あとは

・フィールドのシンボルエンカウント(敵シンボルに接触すると戦闘)
・メニューを開いているときも時間経過する。敵も動く(戦闘にはならない)
・各人が持つのは道具だけになり、装備品は別枠
・「はなす/しらべる」がメニューになく、Aボタンで適宜発動するように。メニューはXボタン割り当てで、メニューを開いたときのカーソル位置は「どうぐ」。

 シンボルエンカウントは快適。敵と会いたくないときは会わずに進められるし、追ってくる敵も多くなく、敵によってかわし方のパターンも違うので単調にならない。今回のクエスト(特定の敵と会う必要性が大きい)との親和性も高く、戦いたいときは連続して戦うことができる。メニューを開いている間は敵は好き勝手に動くので、それを利用してエンカウントを回避することも可能。
 メニューを広いている間に時間が経過することとあわせ、もともとネットゲーのようなつくりをソロプレイにあてはめたのだろう。そういう意味ではFF12らしいとも言える。

 戦闘のメッセージ速度や戦闘進行速度は変えられないが、動画で見ているときとは違い、実際にゲームをしているとあまりストレスや違和感はない。唯一、複数の相手に状態変更の行動をしたとき(ラリホー、ルカナン、ザメハetc)は表示がタルい。あとはキラーマシンの2回攻撃×数匹くらいか。
 息や呪文の複数ダメージは一括で「平均~のダメージ」というスピーディーな表示だけに、もう少し早く表示してもよいのではと思った。

■戦闘バランス

 RPGにおいては重要な要素。6や7の反省が生かされていると思う。当時の弱点は以下のあたりだと思っている。

・呪文、「たたかう」の意義が低すぎ......ノーコストの特技(せいけんづき、まわしげりetc.)が強すぎて、呪文や通常攻撃の価値が低い。ハッスルダンス・どとうのひつじも同様
・1つの職業で覚えられるスキルが少ない......ムダに戦闘回数だけこなして上級職になる必要がある。半分の下級職は腰掛け程度の存在でしかない
・どのキャラも極めれば最終的なところは同じ......結局はいろいろな呪文・特技を覚えた勇者に行き着いてしまう。
・特技多すぎ......1つのキャラで特技が100使えてもどうしろと?

 スキル制になった8でこれらの弱点はかなり解消されたが、9では以下のあたりで「たたかう」や呪文が終盤に至るまでメインになる。

・呪文は職業間で引き継げない。ダメージ系の特技は対応する武器を装備していなければ不可能(剣系なら剣を装備しているときだけ発動可、など)
・打撃の複数攻撃手段を獲得するのが大変(ブーメランは後半まで装備できる人がいない、ムチは力の強い職業は装備できないetc)
・強力な攻撃はほぼ全てMP消費型か高スキル時の獲得になり、コストか時間がかかる
・同じ攻撃を重ねるとダメージが倍率増加するため、「たたかう」の連続でも大ダメージの可能性あり
・どの職業もメリットとデメリットがかなり明確になり、なおかつ捨て職業は基本的にない
・魔法使いが相当有用。弱点制や呪文会心、初期から複数攻撃ができる数少ない職のため大活躍
・上級職は下級職の上位互換ではない。そのため下級職でも戦える

 後半はかなりボスのレベルがキツくなる。何せ蘇生手段のザオラルは覚えるのが遅めで、ザオリクに至っては高レベル賢者のみが覚えるため、クリア前に覚えている人のほうが少ないのではないだろうか。必勝パターンは何通りか作れるが、今までよりは大変という気はする。
 もちろん、俺TUEEEEE! をするために、戦闘を重ねまくって各職業のスキルを取りまくって「全ての職業でxx装備可」や能力値上積みスキルを獲得すれば、どの職業でもかなりの能力になるが、多大な時間が必要である。
 賢者のスキル「ダーマのさとり」で、ついにどこでも転職できるようになったので、FF5のようなボス戦前だけ転職ということもできるのが面白い。

 デメリットは、回復呪文を当初からマトモに扱えるのが僧侶のみで、呪文は他職に引き継げないため、僧侶を転職させるのが難しいことか。賢者を入れることで解決はできるが、呪文の引継ぎができないというのはかなりの割り切りになる。一定以上のスキルである程度の呪文を使用可能にすることはどうかと思ったが、それだと最終的に魔法使い/僧侶である必然性がなくなるため、なかなか難しい。

 また、攻撃/回復呪文を扱える職業が多くないため、例えば魔法使いがスキルを貯めて獲得できる「攻撃魔力がどの職でも上積み」を持っていたとしても有用になる転職がしづらい。逆にパラディンの「みのまもりがどの職でも上積み」はバランスブレイカーの可能性もあるほど有用な能力なので、転職しやすい職としにくい職があるのが残念なにところ。

 一応、各職業を低レベルでたらいまわしに経験させてスキルポイントを低経験値でかき集め、特定の職業にて有用なスキルに100ポイント全振りすることでかなり楽にはなる。しかし、それまでの労力は終盤でもない限りそれなりに必要なため、楽な道とは言えない。

■着せ替え

 Tシャツやらニーソックスやらピンヒールやら、ますます時代設定が不明になるというか世界観が壊れるとの批判がある。一面では正しいと思うが、そもそもドラクエは元から何でもありだと思っている(ドラクエ3のあぶないみずぎが元祖で、リメイクドラクエ3のルーズソックスあたりから普通に入るようになった認識)ので、特に気にしてはしない。確かに時事ネタがやや大目な気もするが......。
 見た目重視の装備ができるという点は面白いが、本当に気に入った場合でも装備品の強化はほとんどの場合ムリなのが残念。FFCC EoTのジュエルやFF7のマテリアのような、装備品にさらに能
力を足せるようなシステムだと良かったかもしれないが、煩雑になりそうなことを考えると、実装は難しそうだ。

 ちなみに、本作はあぶない水着よりもっとあぶない見た目の装備が色々出てくるのがとても堀井雄二というかドラクエらしいと思った。ビクトリーパンツ。ブラックガード。

 3等身のデフォルメキャラなので頭でっかちな体型になるため、頭にかぶるものを装備するとやたらと大きく見えて不恰好なのが残念。

■グラフィック

 基本的にはドラクエ7くらいのレベルで大して気にならないが、重要キャラのみ3D、その他は2Dなのでアップにすると残念なことに。特に美麗グラフィックを求めるゲームではないのでこんなもんだろう。
 ムービーは2~3箇所に挿入されてアニメ風味になっている。特に違和感はなし。竜の背中のアレのところでの全身を覆う装備は大人の事情を少し感じた。

■サンディ

 まさかの(数年前っぽい)ギャル。
 初登場時はネット上で賛否両論。外見はアレだが、全体的にダークな話が多く、なおかつ仲間も空気なので、進行役というか狂言回しの役割にはこれぐらい飛びぬけた明るい感じがないといけないような気がしてきたというか物語の最後まで来るともうこれはこれでアリだろうという気分になってくる。いやむしろ全く問題なしだと。
 ストーリー上で大きくでしゃばることもなく、セレクトキーで戦歴呼び出し時にアドバイスをくれる程度なので、不快感はさほどない。ドラクエ8のトロデ王のようなものだが、毒舌っぷりはいい勝負だと思う。
 1回目のエンディングのシーンの思わせぶりなセリフは単に思わせぶりなだけなのが残念。

■音楽

 悪くはないと思うが、とても良いかと言われると詰まる。
 全体的に過去の曲をモチーフにしたのか? という感じで、ダンジョンの曲も単純におどろおどろしい(ラストダンジョンの曲かと思った)だけなのが残念。海の曲は完全に使いまわしだ。
 城・天使界・フィールドは結構いい感じに聞こえてきた。
 戦闘も悪くはないと思う。聞いてくるうちに慣れてしまったし、8よりは良い感じがする
 明確に序曲をモチーフにした曲がオープニング以外に2曲あるが、いずれも重要なところでかかるので最初に聞いたときはビックリした。

■クエスト

 バリエーションは割と豊かだと思う。クエストの受領や確認(誰から受けた、達成条件)などのインターフェースもまあまあ分かりやすい。
 後半になるにつれて、マゾっぽいのが増えていく(xxの状態/技でyyをzz匹倒せ!)が、経験値稼ぎにもなり、今あるスキルや仲間を組み合わせて効率のいい手段を考えるのは一応面白い。戦闘テンポもすごく苦になるものではないため、作業感は思ったより出ない。瀕死の仲間にベホイム30回はさすがに心が折れそうになるが......。
 今のところでは単なるお使いが多く、明確にサブストーリーとまで言えるものはないが、配信クエストでそういったものが出てくるのかが気がかり。
 
■その他

 一部でEXILEと話題のスーパースターの大技だが、職業を獲得できるのがクリア後相当たってからで、普通のプレイでは数十時間経たないと目にすることすらムリ。8のときのパペットマペットの敵キャラやら前例があることを考えると、結局のところこういうのも含めてのいつものドラクエの延長線上のモノであり、クリア後のオマケと考えておくのがいいのだと思う。

 あとはクリア後を中心に過去の世界をモチーフにしたものが段々と現れてくるが、ドラクエの集大成を作ろうとしているのだろうか。過去の遺産人気を流用しようとしているだけかもしれないが......まだ体験していないためここの評価は保留。

 とりあえず思いついたのはこんなところ。

■プレイヤーの遍歴

主人公:旅芸人(剣)→戦士(剣)→バトルマスター(剣、闘魂)
仲間1:盗賊(お宝)→武闘家(棍、気合)→パラディン(槍、博愛)
仲間2:僧侶(信仰、槍)、合間に少しパラディン
仲間3:魔法使(杖、魔法)→賢者/魔法使を行ったり来たり(杖、魔法、悟り)

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このページは、plutoが2009年7月17日 23:23に書いたブログ記事です。

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