2009年4月アーカイブ

(前回の続き)

そして、春の新刊の話。次のネタは何にしようかと思ったときに、「いまむかし6」は「5(昭和20年代の都営バス)で時間を食ったので今回は充電期間・・・」ということで一回休みにするときに。

乗りつぶしマスターの館員某氏と
「最近、鉄道でも乗りつぶしマップなるものがあるらしいですねー」
「都営バスでやってみるのはどうでしょう」
こんな会話をしたのを思い出して、都営バスの乗りつぶしマップに挑戦することにした。

ついでに、もう少し独自性を出してみようと思い、いくつか考えてみる。むかしむかし、10年以上前の同人誌に「都バス活用帖」というのがあった。都市新バスごとに1冊ずつ各停留所の乗り場を図解するというもので、巻末には乗り換えに便利な停留所位置図がついていた。
diary_090428_2.jpg
▲こんなやつです

全5巻の予定とされていたが、残念ながら、途中で平成12年の大江戸線改編があったこともあり、1・2巻の発刊で未完となっていた。この利便性を蘇らすべく、乗りつぶしと同時に乗り換えにも使える地図にしてみることにした。

まずはとりあえず描いてみる。
diary_090428_a.png
線画にしてみたが、あまり綺麗にならない。どうやら停留所のマークが大きすぎるようだし、見た目もイマイチ。このときは乗りつぶしについては単純に上からマーカーで線を引いてもらうくらいのつもりだったが、やっぱりそれでは・・・ということで考え直す。

上の図はWordで描いてみたものだが、かなり発狂モノなので、今あるソフトで、適当に描画ができて、本の形式にする際にも相性のいいもの・・・ということで、Microsoft Publisherを選ぶことにする。レイアウトソフトだが、一応の描画機能も揃えており、なかなか便利な一品だ。
(本当はもっとちゃんとしたドローツールとかがいいのだろうが、体が完璧なまでにOffice系列のオートシェイプに慣らされてしまったので・・・)

次に、乗りつぶしマップっぽくするために、白ヌキの線にして色々と改良してみた。
diary_090428_b.png
同時に停留所の▲も小さくしてみたが、まだどうも綺麗とは言い切れない。停留所の密度もこれくらいだったらいいが、となりの図の東品川のように停留所や線が錯綜するところは「※欄外参照」の連発になってしまい、見た目もまだまだ。
いろいろと内部レビューの結果、線をもう一段階太く、停留所の▲はもっと小さく、さらに停留所の文字の大きさも抑えることとした。
さらに、上の図では[反94]だけ通る区間が細線である。本数少の区間のつもりだったが、片道のみ運行と区別するため、片道は細線、本数少区間は点線とすることにした。

中が白ヌキの線は塗りつぶすときには綺麗だが、黒線の上に少しだけ細い白線を重ねて表現しているため、オブジェクトの数が倍増して、密集するページはやたらと編集が重くなった。もっと処理能力の高いパソコンが欲しい・・・

ということで、数回のレビューを経てできあがったのがこちら。
diary_090428_c.png
線画とは言いながら、全図面を描くのにおよそ1ヶ月。
本当は川や海も描きたかったが、ありまにも手間がかかるので今後の課題。


さらに、描画と並行しながら決定・調査していかなければいけないのは以下の点。

・乗りつぶしの定義
・各運行パターンごとの細かい経路と降車位置
・停留所の位置調査

停留所の位置については、tobus.jpの停留所のページに停留所ごとの住所と地図リンクが書いてあるが、たまに住所が誤植されていたり、新しい停留所については反映していないことがあるため、100%の信頼がおけるわけではない。住宅地図レベルのバス停が記入されている地図と併用したが、ここでお世話になったのがGoogle ストリートビュー。そう、バス停の位置が見たまんまで分かる。これにはかなりお世話になった。もちろん、車が邪魔だったり車線が広すぎたりしてダメなこともあるが、8割ほどの現地調査を省略できたのは大きい。

それでも、1停留所に2ポールが並んで建っているような場合(西新井大師の環七王子方面、辰巳団地の北行方面、なぎさニュータウンetc...)や、レアな停留所、また降車専用については現地調査をするしかないため、毎週フィールドワークをすることになった。しかもそういう停留所に限ってエリアの外周部にあったりして、移動だけで大変な目に・・・。

各運行パターンの細かい経路についても、だいたい分かっているつもりでも、いざ思い返すと不明なものが多い。例えばこれらに即答できるだろうか。

・[船28]、篠崎駅はどこで降車させるか
・東新小岩四丁目の降車場所はどこか
・新宿駅西口、[宿74]と[宿75]はどちらが前か
・[海01]、豊洲駅止まりはどこで降車させるか
・[東98]の最終、東京駅→目黒駅止まりはどこで降車させるか
・劇場バスの新宿行きの停車停留所はどこか
etc...

降車部分の疑問が多いが、乗車位置は見ればわかるものが多いが、降車は実際に乗ってみないと分からないことが多いからである。そのため、各系統の全運行パターンを洗い出して、それぞれの降車位置が
例えば、[海01]であれば、降車(行き先)の可能性のある場所は門前仲町・豊洲駅・有明一丁目・東京ビッグサイト・東京テレポート駅の5箇所。ここで、
・門前仲町は[門33]の北行乗り場
・豊洲駅は交差点手前の[豊洲01]と同じ降車専用
・有明一丁目は乗車ポールと同じ場所
・東京ビッグサイトは構内すぐの汎用降車専用
・東京テレポート駅は出入り口近くの汎用降車専用
のようにひとつひとつ明確にしていく必要がある。各系統ごとの終点をリストアップすると500箇所近くになってしまったが、これらをつぶす旅に追われた。
[草39]の金町駅→青戸車庫のように、「水戸街道から右折して整備場の裏の入口で終点だろう。つまり水戸街道から外れた区間がこの系統だけの独自区間!」とか思っていたら、3回挑戦して3回とも水戸街道を右折せず、街道上の浅草行きの停留所で降車し、そのままバスは「回送車」表示にして四ツ木橋方面に走り去ってしまったというような事例もあるので思い込みは禁物である。

(もう少し続く)

ということで、放置しっぱなしであったこちらも久しぶりに書く。

バスの乗りつぶしって難しい。というかそもそも挑戦する人が少ない。
鉄道の乗りつぶしはそれなりにメジャーになりつつあるが、バスは細かい経路や本数の少ない区間が多く、はっきりいって「100%」乗車はほとんど困難に近い。それを100%に近づけようというのが今回の趣旨だ。

そもそもバスの乗りつぶしの概念もアイマイだが、定義しないことには始まらないので、以下のように定義することにする。

  • 複数系統が同じ道路を通る場合は、いずれかの系統に乗車すれば可。
  • 同一の道路ならば、どちらか片方向に乗車すればよい。
  • ただし、ロータリーや同一の道路で上下線が離れた区間は別線扱い(湾岸線脇のR357や小松川橋などが該当する)。例えばロータリーであれば、完乗には一周乗り通す必要がある。
  • 陸橋の側道を通る場合は、原則として往復を区別しない。
  • 同一停留所であっても、位置は基本的に意識する。
  • 本線と枝分かれして終点となる場合は、その区間にも乗る必要がある。
  • 迂回運行については、定期的な歩行者天国に伴う迂回のみ対象とする。
  • 臨時系統については、有料、定期的(年数日以上運行)、誰でも乗車可能という条件に当てはまる、ビッグサイト・国立劇場関係のみ対象とする。
  • そのため、無料の競艇バスや企業貸切、御殿山ガーデン送迎等はとりあえず対象外。

これらのことをふまえて、都営バスに100%乗ったことがあるだろうか。たぶん自分もざっと数えたが98%だ。ループして終点になっているものは往復乗らなければいけないというのはなかなか厳しい。

まずは初級編から。このへんはマイナー区間が明示されているので分かりやすいか。このへんは当たり前、と行きたいところ。
  • [浜95乙]の単独区間、中ノ橋をわたる区間に乗った(平日2回)
  • [梅78]の単独区間(上成木~北小曽木、成木小学校構内)に乗った(登校日のみ)
  • 平日土曜朝のみの[新小29][新小20]の総武線を越える区間に乗った
  • 朝のみの[東43][王40]の江北橋下経由に乗った
  • [都02乙]の単独区間の東京ドームシティ~一ツ橋に乗った(平日3回土曜2回)
  • [東20乙]に乗った(平日2回)
  • [秋26]の休日・平日の両方の経由に乗車した
  • [東16]のツインビル止まりに乗った(平日朝夕のみ)
  • [都05丙]の単独区間の晴海大橋の区間に乗った(ビッグサイト急行も可)
  • [品98丙]・大田市場急行に往復とも乗った
  • [西葛27]の葛西水再生センター経由に乗った(平日土曜朝1回)
  • [品93][品97]の第一京浜経由に乗った
  • [品99]の東京入国管理局→品川埠頭岸壁入口に乗った(平日昼)
  • [木11]の若洲行きは平日・休日の両方乗った
  • [業10]の中央通り経由に乗った

次に中級編。路線図には明示されていないが、普通に乗っていればクリアしそうなものも多い。たとえばこんな感じ。
  • [新江62出入]単独区間の練馬区役所入口~練馬車庫に乗った(2回くらい)
  • 千住車庫構内で降りた
  • [渋88出入]の単独区間(新宿駅南口付近)に乗った(早朝深夜のみ)
  • [上60]の巣鴨小学校→大塚駅に乗った
  • 堀ノ内の構内で降りた([宿91]の最終2便のみ)
  • 統計局に往復とも乗った
  • [新小29出入]の新大橋通り上の単独区間に載った(平日3回)
  • 葛西駅~コーシャハイムの富士公園付近の単独区間に乗った(平日8回)
  • [亀26]に乗って今井に発着した
  • [国展03][国展04]に乗って湾岸アンダーを通過した
  • コーシャハイム南葛西は始発から乗った
  • 品川車庫構内に発着した([品93出入]目黒駅~品川車庫など)
  • [西葛27]の陸上競技場構内まで入った

あとは上級編。ちゃんと単独区間がみみっちくも存在するものも色々。
  • [虹01入庫]の海岸通り上の港南四丁目→車庫前の単独区間に乗った
  • [草24]の休日最終のみ経由する駒形橋経由に乗った(もっとも、経路変更前に乗っていればクリアしているが)
  • [王40]の出庫の溝田橋経由の区間に乗った
  • [品97]の青山一丁目止まりで終点まで乗った
  • 青戸車庫構内で降りた
  • 江戸川車庫構内で発着した([錦25出入]が該当)
  • 早稲田車庫構内で降りた([池86]の入庫のみ)
  • 杉並車庫構内で降りた([渋66]の阿佐ヶ谷からの入庫のみ)
  • 劇場バスの新橋・渋谷・新宿行きに乗った
  • 深夜バスの最終便のみ経由する渋谷駅(西口)まで乗った
  • [木11]で、埠頭循環から新木場駅止まりとなる運用に終点まで乗った
  • [東98]の目黒駅止まりで終点まで乗った
  • 東京ビッグサイトの構内を一周した([虹01]の国際展示場駅発のみ)

超級編。もう知らん。
  • 東京女学館構内から乗った

次の新刊は何にしよう、と話になって、↑のようなこまかーいことを追えるような本にしてみようということに......(続く)。

このアーカイブについて

このページには、2009年4月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2008年12月です。

次のアーカイブは2009年5月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.01