正直なところ、停留所での会話で、番号による区別をしている人が多いという現状を考えると、やっぱり系統番号は重複をさけるべきなのかなと思います。
例えば、臨海車庫では臨海22(西葛西経由船堀)、錦22(錦糸町)、葛西22(葛西経由一之江)と同じ番号で3系統もあります。
また臨海22系統の臨海は、葛西臨海公園駅を示すはずですが、こちらは葛西臨海公園駅へ行かず西葛西駅へ行き、逆に本来は西葛西駅に行くはずの西葛20系統・西葛26系統は、西葛西駅に行かず葛西臨海公園駅へ行くなんて場合もありますね。
さらに葛西駅では道路を挟みますが、葛西22系統の一之江行きは、環七を南下してから雷を経由する本線と、環七をまっすぐ北上する入出庫便という、もし乗り間違えると行きたい場所に全く行けないという可能性があります。
こういった場合は系統番号をあてにすると、大変なことになります。
そのため、方向巻に記載された経由地や行き先だけで判断するしかなく、区分のためにつけたはずの番号が、全く意味をなくしています。
この場合はむしろ、番号無しで行き先だけの方がいいのかもしれません。
それから、FL01系統なんかそうですが、この「FL」が何を意味するか、知っている人の方が少ないようですね。
利用者も「急行」とか「大島経由」とか言ってますし、運転手さんも「急行」と案内する人が多いようです。
結局は定着していないようです……。
そう考えると、何でもかんでも系統番号をルールに則り付番することもいかがなものか、と考えざるを得なくなってきます。
ただ、それでも私としては系統番号は案内上必要だと思います。
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さてここで、番号の付け方が統一されていない、札幌の例をあげさせて下さい。
札幌では、
・番号だけのジェイ・アール北海道バスとじょうてつバス(横浜市営と同義)
・接続する地下鉄駅の漢字を使った北海道中央バス(例えば真駒内なら「真」)
・漢字に運行する区を使っていた旧札幌市交通局(例えば白石区なら「白」など)
・系統番号がない夕鉄バス
と、様々な付け方になっています。
(現在は市営バス路線が各社に移管されていますが、各社とも市営バス当時の系統番号を、現在もそのまま使用しています)
このうち、市営バスには全系統に系統番号の他、路線名がついており、車内外の放送でも路線名を必ず流していましたので、番号よりも路線名が定着していました。例えば白23系統は「23番」というより「北郷線」という人の方が非常に多かったです。
一方、番号の付け方は統一されているようで結構まちまちで、南区方面へは4・9・10・50・54・55・56・57.64・65・70・71・74・81・84・90番台と、末尾4が多いですが、てんでばらばらでした。
一方、中央バスでは車内外の放送で必ず系統番号を放送しています。
なので、こちらの場合は系統番号が定着していました。
ちなみに中央バスの番号の付け方は、札幌駅より北側を49番まで、南側を50番以降と一応の区分がありましたが、やはりかなりまちまちでした。
また、ジェイ・アールとじょうてつは、番号と行き先で区別していますが、同じ行き先で経由が違う場合(例えば門前仲町における都07・東20・東22のような状態とお考え下さい)が多いので、混乱が生じているようです。
なお、こちらは特に系統番号や路線名の案内はありません。
ジェイ・アールの番号の付け方も、札樽線が40番以降、空知線が29番まで、長沼線が30番台と一応の区分はあります。
こんな感じで、札幌は系統番号の付け方は全く統一されていませんが、そのぶん各社が案内を充実させているせいか、大きな混乱は起きていないようです。
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さて。
利用者が路線を直感的に区別するための記号としての系統番号であるならば、漢字のルールは必要ですが、数字に関する地域のルール付けは(同じ停留所で重複しないという最低限のルールは必要ですが)必要無く、逆に番号で路線が区別できるくらいの方がいいと感じます。
むしろルール付けををする以前に、もっと利用者に対する強烈なアピールが必要であって、まずは車内放送に加えるべきではないかと思います。今の音声合成装置ならば、昔のようにテープ丸ごと取り替える必要はないわけですし、比較的容易に出来そうな気がします。
また、今のように行き先の脇に申し訳程度に書かれているような停留所の標記から見直す必要があるのではないかと思います。
さらにこの場合、甲乙等の枝番も基本的につけない方が、利用者はわかりやすいと思います。
あと、個人的な感覚ですが、仙台市営のようにアルファベットを用いた系統番号の付け方は、法則がわかれば便利ですが、初めてきた人は意味がわからず、まずバスに乗ることを敬遠すると思います……。
一方、系統番号はあくまで業務上の整理用であって、利用者は行き先だけで判断して欲しいというのであれば、系統番号を表示せずにその分経由地を多く(または大きく)記載した方が、余程いいのではないかと思います。
ただ、その場合は放送に路線名を流す等、利用者側で判断する材料を増やすために、より案内を充実する必要があると思いますが……。
東京の場合、せっかく都内を運行している各社が「漢字+数字2桁」で路線をあらわすように統一されているわけですから、あまり「番号により地域をあらわす」というルールにこだわらず、もっと系統番号による路線の区別を利用者にアピールしていく方が現実的な気がしますが、いかがでしょうか。