▼PLせつなさん:
「やりたくない理由」ではなく、それだけ勝算がないのでは?ということです。
経費計算ですが、一日30往復設定するということは、上下で60便の設定で、1分の時間延長は一日あたり60分の労働時間延長ということになります。
それを365日毎日走らせた場合は単純に365倍になり、乗務員一名あたりの人件費は年功によって差があるため、平均値として20円と算出しました。
これによって「438,000円」の経費増という結果になり、さらには車両所要台数や要員を増やすような事態もあることや、新規に停留所設置の問題、警察や地元の了解など、それらすべて考慮すると踏み切れないものがあると思います。
年間438,000円の経費増を運賃収入から考えると、200円基準で年間2190人の増加、一日平均6人増加しないといけないわけですが、あくまでも1分ハンドル時間を延長したら、これだけ経費が増えるということであって、出入庫線が長い路線であればさらに経費もかかってくるはずです。
また出入庫便が、既存系統の補完程度の運行であれば、もともと既存系統に乗っていた利用者が、都合の良いタイミングにスライドするだけで、旅客人員の絶対量が増えるわけでもないため、年間2190人というのはそう簡単に増える人数ではないということです。
現在の社会構造も含め、旅客輸送量が全体的に落ち込んでいくなかでの輸送増はなかなか見込めず、周辺の民間事業者ではとうとう縮小の動きさえ出始めています。昨今の新規路線などもバス事業者が自ら企画したものではなく、むしろ政治的な意味合いが大きいような気がしますし、それでさえ期待したほどの利用があるようにも思えないため、事業者側は新規路線(系統)の開設は消極的になっているのが現実ではないかと思います。