昭和44年10月に44年度都電第一次撤去が行われ、10月25日の営業を限りに7・17・21・30・31・33・34の各系統が廃止、28が短縮という一大廃止が行われ、城南からは都電の姿が消え去り、広尾と三ノ輪の電車営業所が閉所となった。代行輸送は全て都営バスで行うこととなり、以下のようなチラシが作られて各所で配られた。上の画像は、代替輸送の図の部分だけを拡大したものである。
代替にあたっては、都電の区間を引き継ぐとともに、折返所も確保しなければならないため、既存のターミナルや車庫まで路線が延長された。また、17系統については、文京区役所〜数寄屋橋間は既に廃止されていたために昭和43年2月から運行を開始していたが、全線廃止により、本格的な代替路線として出発することになった。これだけの車輌をまかなうには新車だけでは当然足りず、また車庫の用地という問題もあるため、不採算路線の廃止などが同時に行われ、昭和44年10月26日は大規模な改編の日となった。改編の概要は以下の通りである。
★新設 | ||
80系統 | 品川 | 品川車庫〜赤羽橋〜東京駅北口が開通 |
507系統 | 品川 | 品川車庫〜広尾橋〜四谷駅が開通、品川車庫〜慶應病院(折返)を開設 |
521系統 | 千住 | 東京球場〜上野駅〜水天宮が開通 |
530系統 | 青戸 | 東向島広小路〜須田町が開通、青戸車庫〜須田町(出入)を開設 |
531系統 | 千住 | 東京球場〜浅草橋〜都庁前が開通、東京球場〜浅草橋(折返)、千住車庫〜東京球場(出入)を開設 |
533系統 | 品川 | 浜松町駅〜四谷片町が開通、浜松町駅〜慶應病院(折返)、慶應病院〜狸穴(折返)を開設 |
534系統 | 目黒 | 渋谷駅〜赤羽橋〜新橋駅が開通、渋谷駅〜赤羽橋(折返)、目黒駅〜渋谷駅(出入)を開設 |
★廃止 | ||
134系統 | 品川 | 大森駅〜大井競馬場〜品川駅東口を廃止 |
501系統 | 品川 | 品川車庫〜上野駅・東京駅八重洲口を廃止 |
★延長・短縮 | ||
30系統 | 千住 | 千住車庫〜上野駅〜(昭和通り)〜新橋駅を千住車庫〜上野駅〜上野広小路に短縮 |
76系統 | 渋谷 | 48系統(新橋駅〜東京タワー、品川)と76系統(渋谷駅〜東京タワー)を統合、 渋谷駅〜東京タワー〜新橋駅とする。品川車庫〜東京タワー(出入)を廃止 |
503系統 | 品川 | 目黒からの移管のため、品川車庫〜一ノ橋〜四谷駅に変更 四谷駅〜飯田橋を短縮、目黒駅〜品川駅〜四谷駅(出入)を廃止 |
517系統 | 大塚 | 教育大学〜有楽町駅(出入)を廃止、池袋駅東口〜一ツ橋・文京区役所・大塚二丁目(折返)を開設 |
★移管 | ||
43系統 | 巣鴨 | 池袋駅東口〜浅草雷門を、大塚から巣鴨に移管 |
503系統 | 品川 | 品川駅〜四谷見附を、目黒から品川に移管 |