都営バス資料館

車内モケット

乗務員と乗客が座る座席のモケット柄は事業者の特色が出る部分だ。現在は原則として全て都バスマスコットキャラクター「みんくる」柄になっているが、それに至るまでも色々な変遷があった。ここでは路線車の歴代モケットを紹介しよう。

青・銀無地


▲Z代(昭和47年度) [o]


▲N代(昭和59年度)中型 [塩]

▲X代(平成3年度) [北]

都営バスの標準として長らく使われていた濃い青色の無地。E代(昭和52年度)?より座面が厚くなっている。市場専用車はビニール引きのシートだった。
優先席は昭和54年2月(F代後期~)より、薄緑色のカバー付きから専用の銀色の無地に変更され、それ以前の車も順次取り換えられた。
平成元年2月(T代後期~)からは、シルバーシートのマークを織り込んだ座席に変更している。Z代(平成5年度)までの全車(都市新バスを除く)と、A~D代(平成6~9年度)の非低公害・低床の一般車が原則としてこのモケットとなった。なぜかD代のいすゞ・三菱の低公害はイチョウでなく無地モケットだった。

灰・桃無地


▲W代 都市型超低床車


▲B代(平成7年度)三菱[北]

▲B代日野[北]

W代(平成2年度)の超低床車からB代(平成7年度)のリフト車までのワンステップ系の車に採用された地。一般席は灰色、優先席は淡い桃色となっており、凹凸のついた手触りとなっていた。

イチョウ柄


▲Z代いすゞ都市新(更新後)[ア]
▲E代[北]


▲A代らくらくステップ [塩]

▲優先席アップ

▲E代ノンステップ

▲Z代三菱都市新 優先席(小)[ア]

A代(平成6年度)のらくらくステップ車が初採用と思われるイチョウ柄。黄色と緑のイチョウの葉が2~4枚ずつあしらわれているオリジナルデザインである。
A~D代の一般車・中型車以外の低公害(HIMR・CNGなど)・低床(らくらくステップ・ノンステップ)の一部を除く各車と、E・F代の路線全車がこのモケットとなった。
柄は小・大の2種類あり、A~D代は小さ目のイチョウ、E・F代は大き目のイチョウとなっている(車により異なる?)。優先席は無地時代とは異なり薄紫色となった。
平成11年頃の車体更新より車内イメージの改革を狙ったのか、Y代(一部)・Z代は車体更新で一般車・都市新問わずイチョウ柄となった。都市新のツートンカラーと値段は特に変わらないとのことで、コストダウンというわけではなかったようだ。Y代の一部とZ代が該当する。A代以降の更新はみんくる柄となった。

パステル

▲E代築地用一般席[月]


 
▲E代築地用 優先席[月]

▲S代築地用

E代(平成10年度)の築地市場用中型車のみ採用された柄。一般席は明るい薄紫色、優先席はレモン色のビニールシートとなった。新しい車内イメージの試験車という目的もあったようだが、これ以外には広まらなかった。
この後を継いだS代(平成20年度)の中型は青梅からの転入の際にE代と同様なシートとなったが、優先席も薄紫色となっているところが異なる。
平成28年で除籍されたため、このシートの車は現存しない。

みんくる柄


▲初代バージョン C代みんくるバス

▲2代目バージョン G代

▲2代目バージョン Z代ハイブリッド メッシュ地


▲初代バージョン 一般席

▲2代目Aバージョン G代一般席

▲2代目Aバージョン G代優先席(紫)

▲2代目Bバージョン K代一般席

▲2代目Bバージョン K代優先席(赤)

▲2代目Bバージョン Z代優先席(濃青)

▲2代目Bバージョン Z代優先席(濃青)
 


▲3代目バージョン 旧B代(更新後)


▲3代目バージョン 一般席

▲3代目バージョン L代優先席(赤)

▲3代目バージョン P代優先席(水)

▲3代目バージョン A代優先席(濃青)

▲3代目バージョン B代優先席(濃青2)

現在の都営バスの一般車のほとんどを占めるみんくるシート。時期によって微妙に異なる。
L代からは、「ペットボトルをリサイクルして作られた生地」というステッカーが新車登場時に貼られていたが、いつの間にか貼られなくなった。
★初代……平成12年7月に始まったみんくるバスで採用。大きなサイズは「基本ポーズ、右手上げ、歩く」の3ポーズ、小さなサイズは「横向き飛び、横向き歩き、後ろ斜め、タンコブ泣き、眠り」の5ポーズが配置され、合間に双眼鏡・えんぴつ・カメラ・3色団子・傘の手持ちパーツが単独で並んでいる。かなり配置密度が濃い。優先席はイチョウと同じく薄紫色。
★2代目A……G代(平成12年度)の中型3輛で採用。初代と同じみんくるを配置しているが、密度と薄く、みんくるの大きさも小さ目にして見た目がうるさくならないようにしている。優先席は薄紫色。
★2代目B……K代(平成14年度)の一部の一般・優先席やZ代(平成26年度)の優先席では、2代目の柄で3代目のようなストライプのザラザラした生地になって復活している。ハイブリッド試験車(Z500, 501)のみ、運転席と同じようなメッシュ生地のさわり心地のよいもので、一般席・優先席とも2代目の柄となっていた。
★3代目……H代(平成13年度)~で採用。みんくるの大きさが少し大きくなり、手持ちパーツ単独配置はなくなった。大きなサイズは「双眼鏡(基本ポーズ)、鉛筆(歩く)、カメラ(右手上げ)・傘(両足開き)」の4ポーズを、小さなサイズは「横向き飛び、横向き歩き、基本ポーズ、後ろ斜め、真後ろ、タンコブ泣き、両足開き、眠り」の7ポーズが配置されている。生地が斜めにストライプの濃淡の入ったザラザラしたものになった。優先席は赤色。
※P~Y代(平成18~25年度)では、標準ノンステップ仕様に合わせて優先席は淡い水色となった。色が色なだけに汚れやすい。なお、平成28年度からは入場の際に肘掛部分を除き現行の濃青に張り替えられている。
※A代(平成27年度)~は、優先席が汚れが目立たない濃い水色になった。
  
これ以外に、平成12年以降に車体更新を行った車は3代目Aのみんくるシートに交換されている。A・B代(平成6, 7年度)のだいたい全車が該当する。みんくるバスについてもこの世代は初代→2代目の柄になった。平成14年頃からは車体更新を簡易に済ませるようになったため、C代(平成8年度)以降の多くはモケットが登場時のままとなっている。
また、擦り切れなどで交換の際に座面と背もたれの柄が一致しないパターンもあり、車によってバリエーションは多彩だ。運転席は特に交換の可能性が高くなっている。

▲いすゞK代のパターン不一致座席

また、平成20年頃まではメーカー側で生地を専門の会社に発注していたこともあり、ボディメーカーによって微妙に仕上がりが異なる場合があった。例えば以下はS代の日野・日デの優先席だが、ストライプの色の差や仕上がり具合が明らかに異なっている。
現在は一括して交通局が発注しているため、このような差は見られなくなっている。


▲S代(日野-JBUS)の優先席

▲S代(日デ-西工)の優先席

都市新柄


▲[都01][都02] C代 [ア]


▲[都03] S代

▲[都04] X代

▲[都06] Y代

▲[都07] X代

▲[都08] A代

▲都市新優先席(灰色)

▲都市新優先席(赤色)

M代(昭和58年度)以降のの都市新バス仕様車のみに装備された背もたれが高いツートンカラーシート。[都01][都02]は黄色・エメラルドグリーン、[都03]~[都05]は方向幕の色に合わせて[都03]は青・グレー、[都04]は草色・青緑、[都05]は朱色のツートンカラー、[都06]は横縞の入った青・赤灰色、[都07]は超低床系のモケットとも微妙に異なる緑がかったグレー・桃色、[都08]は点々が入った鮮やかな濃赤・青色だった。C代の都市新バス仕様車が最後となり、D・E代(平成9, 10年度)はイチョウ柄となっている。
Y代(平成4年度)以降は車体更新でイチョウ・みんくるへと交換されたため、最後までオリジナルの色で残ったのはX代となった。
なお、優先席は当初は灰色、後に赤色のモケットとなった。赤色にシルバーシートマークの織り込みは都市新バスだけの仕様だった。

その他


▲キューピーのラッピングと合わせた座席モケット(渋谷) [塩]

ラッピングバスのメニューとして座席も広告仕様にするオプションが用意されたが、実際にそこまでした例は渋谷のZ313号車のキューピーラッピング(平成16年)のみであろう。車内の前から後ろへと鮮やかな配色になっており、キューピー人形が織り込まれている。


▲夢の下町バス専用モケット

夢の下町バスの座席は、青海波の文様のような青色ベースの扇形が並ぶデザイン。虹色の扇子がアクセントになっている。

▲六本木ヒルズ車専用モケット[ア]

渋谷に導入された[RH01](渋谷駅~六本木ヒルズ)専用車のL661~663は、車内も特別仕様で座席もキャラクターが織り込まれた専門のものだった。緑・青の2色あり。現在は青無地になっている。


▲[二階01] 二階建てバス用モケット(T105)[塩]

二階建てバスは専用のモケットで、車によって異なっていた。[二階01]の場合、H代、T代はオレンジ・茶色系の写真の通りの格子模様。Y代(青色車体)は両脇が灰色、中央に緋色の縞模様の座席となっていた。


▲特定車(1)

▲特定車(2)

特定車は赤色、もしくはパステルピンク一色のビニールシートとなっていた。運転席は青無地である。(旧世代の特定車は不明)

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