短命[虹02](平成5年)

記録=目黒新橋さん

 平成5年8月、港区芝浦と新都心たるお台場を結ぶレインボーブリッジが完成したことに伴って、観光系統として[虹01][虹02]が開通した。[虹01]は最寄の田町駅東口からレインボーブリッジまで直行する普通の(?)系統だったが、同時に開通した[虹02]は異色の存在で、何と東京駅南口からノンストップでレインボーブリッジまでを結ぶという設定となった。現在の[東98]ののりばの後ろから出発し、平成12年まで存在した[黒10](目黒駅〜東京駅南口)と同じように日比谷通りを経由して、途中で左折して国道130号に入り東京港口を通過して海岸通りに入り、そのままレインボーブリッジのふもとまで進むという設定だった。所要時間はおよそ20〜25分程度だったのではと思われる。土曜・休日のみの運転で、1時間間隔での運転だった。

(目)

 開通式を行う[虹02]。まだぴかぴかの新鋭である都市新HIMR車、M-Y782が後ろに控えている。

(目)

 開通式を終えて発車したY782。Y代HIMRは登場当初は「ハイブリッドバス」という行灯をつけていたが、それでは分かりにくいということか、いつしか「低公害バス」という表示に替えられた。また、専用のヘッドマークをつけていたのも特徴である。方向幕も通常とは異なる書式で、系統番号の部分が虹をモチーフにしてあった。このころに開通した[梅01](青梅駅〜玉堂美術館)や[夢01](錦糸町駅〜新木場駅)も同様のモチーフ図柄+小さく系統番号という形式であり、その流れを汲んでいると言える。

(渋)

 発車を待つグリーンエコー都市新バス車、M-V607。「グリーンエコー」の行灯はビニールカバーで隠している。この頃までは「冷暖房車」のマークが入っていたようだ。

 時刻表を下に示す。A期間は8月26日〜10月31日、B期間は11月1日〜3月31日と指定され、シーズン毎に切り替わることを想定していた。レインボーブリッジ発が東京駅発に比べて1時間遅い終バスになっているのは、どうやら[虹01]との組ダイヤで田町駅東口→[虹01]→レインボーブリッジ→[虹02]→東京駅南口と運行を行っていたのではと思う。翌年の4月1日からはまたA期間のダイヤになった。

虹02 H 5. 8.26改正
東京駅南口発 レインボーブリッジ発
6 A期間 B期間 A期間 B期間
7
8
9 00 00
10 00 00 25 25
11 00 00 25 25
12 00 00 25 25
13 00 00 25 25
14 00 00 25 25
15 00 00 25 25
16 00 00 26 25
17 00 00 32 30
18 00 32 10
19 00 15
20 00
21 10
22

 開通時に販売された記念乗車券。ライトアップされたレインボーブリッジが目立っている。

 しかしながら、田町駅発着の[虹01]が乗客を獲得して本数も増えたのに対し、[虹02]は乗客が伸び悩んだようで、開通からわずか1年5ヶ月後の平成7年1月で廃止されてしまった。都営バスの中でも一二を争う短命な系統であった。この番号は、その後[虹02]品川駅東口〜東京テレポート駅となり、レインボーブリッジを渡る路線として復活を果たすが、りんかい線の全通によりまた廃止されてしまう。果たしてもう一回復活する日は来るのだろうか?