車番のいろは

概説

 東京都交通局では、一般的に車両管理をするためにつけられている『車番』と呼ばれるものを『局番』と呼称している。バスの側面に、上図のように「R−L732(巣鴨)」などと書かれてあるのが『局番』である。それぞれ、R…営業所記号 L…購入年度記号 732…番号 (臨海)…所属営業所を表している。
 営業所記号と購入年度記号に使用されているアルファベットは、数字や他のアルファベットと間違える可能性のあるI、O、Q、J、Uの文字を除いた21文字が使われているが、以前は営業所記号に「U(今井)」が使用されたこともある。カッコ書きの営業所名は昭和49年8月15日からサービスアップのために表示を始めたものである。
それに対して、購入年度記号は昭和40年度に現在の番号体系になったときから使われ始めたもので、その当時で最も古かった昭和32年度車をAとし、以降年度が進むごとにアルファベットの文字を1つ進めるようにした。もっとも、昭和40年代は都電代替バスの運行で大量の新車が必要となり、年度記号を使い切ってしまうため、1つの年度に2つの記号が割り当てられたこともある。都営バスでは大体10〜12年ほど使用すると除籍されるため、重複が起こらないようになっている。
 3桁の番号は通し番号で、百の位はその車の区分を示している。なお、下2桁が42・49のものは使われていない。

営業所記号

 少なくとも昭和23年度から使用されている(その当時存在した営業所を、品川から時計回りにA〜Lまで割り振ったと思われる)。現在は、M・U・Xが廃止・統合により使用されていない。移転して名称が変わった場合でも、基本的に文字は引き継ぐ。分駐所・分車庫格の場合は、親所属の営業所の文字を使っている。

文字 現在の使用 過去の使用
A 品川営業所 目黒分駐所・港南分駐所(平成15〜平成17年)
B 渋谷営業所
C 新宿支所
D 杉並支所(昭和41年〜) 堀ノ内営業所(〜昭和41年)
E 小滝橋営業所
F 練馬支所
G 大塚営業所
H 千住営業所
K 南千住営業所(昭和50年〜) 新谷町営業所(〜昭和50年)
L 江東営業所
M 目黒支所(昭和30〜平成15年)
N 北営業所(昭和55年〜) 滝野川営業所
P 巣鴨営業所(昭和43年〜)
R 臨海支所(昭和62年〜) 江戸川営業所(昭和35〜62年)
東荒川営業所(〜昭和35年)
S 深川営業所(昭和43年〜) 洲崎営業所(〜昭和43年)
T 早稲田営業所(昭和46年〜) 戸山支所(昭和43〜46年)
U 今井支所(昭和43〜62年)
V 江戸川営業所(平成16年〜) 葛西営業所(昭和47〜平成16年)
W 青梅支所(昭和24年〜)
X 八王子支所(昭和24〜62年)
Y 港南支所(平成17年〜) 志村営業所(昭和36〜57年)
Z 青戸支所(昭和34年〜)

購入年度記号

 昭和40年度に現在の番号体系になったときから使われ始めたもので、その当時で最も古かった昭和32年度車をAとし、以降年度が進むごとにアルファベットの文字を1つ進めるようにした。もっとも、昭和40年代は都電代替バスの運行で大量の新車が必要となり、後述の通りワンマン・ツーマン兼用車には1年度記号あたり300台しか入らないため、2つの記号が割り当てられた年度も発生した。都営バスでは大体10〜12年ほど使用すると除籍されるため、重複が起こらないようになっている。
 なお、昭和48年度には一般車については新車の導入がなかった。ただし、予算区分自体は昭和48年度のものがA、昭和49年度のものがBと分かれていた可能性がある。特定車・貸切車については通常通り導入され、Aが昭和48年度、Bが昭和49年度と区分されていた。

昭和32年度(1957) 昭和49年度(1974) 平成 6年度(1994)
昭和33年度(1958) 平成 7年度(1995)
昭和34年度(1959) 昭和50年度(1975) 平成 8年度(1996)
昭和35年度(1960) 昭和51年度(1976) 平成 9年度(1997)
昭和36年度(1961) 昭和52年度(1977) 平成10年度(1998)
昭和37年度(1962) 昭和53年度(1978) 平成11年度(1999)
昭和38年度(1963) 昭和54年度(1979) 平成12年度(2000)
昭和39年度(1964) 昭和55年度(1980) 平成13年度(2001)
昭和40年度(1965) 昭和56年度(1981) 平成14年度(2002)
昭和57年度(1982) 平成15年度(2003)
昭和41年度(1966) 昭和58年度(1983) 平成16年度(2004)
昭和42年度(1967) 昭和59年度(1984) 平成17年度(2005)
昭和60年度(1985) 平成18年度(2006)
昭和43年度(1968) 昭和61年度(1986) 平成19年度(2007)
昭和62年度(1987) 平成20年度(2008)
昭和44年度(1969) 昭和63年度(1988) 平成21年度(2009)
平成元年度(1989) 平成22年度(2010)
昭和45年度(1970) 平成 2年度(1990) 平成23年度(2011)
昭和46年度(1971) 平成 3年度(1991) 平成24年度(2012)
平成 4年度(1992)
昭和47年度(1972) 平成 5年度(1993)

番号

 年代によって、用途が多少変わってきている。現在の区分では、以下のようになっている。

001〜099 貸切車
100〜799 大型路線車
800〜899 中型路線車
900〜999 特定車

制定当時(S40〜)

昭和39年度まではツーマン専用車を導入していたので、車輌運用上の違いも考慮してワンマンにも使える兼用車と番号を分けた。なお、ワンマン専用車は昭和47年に導入されたのが最初である。

001〜099 貸切車
100〜399 路線車(ツーマン専用)
400〜699 路線車(ワンマン・ツーマン兼用)
700〜999 路線車(ワンマン専用)

特定・ミニバスの開始(S48・A代〜)

養護学校への輸送などを目的とした特定バス事業は貸切転用車で賄っていたが、昭和48年10月1日に22輌で本格的にスタートし、900番台が割り当てられた。また、昭和49年2月にはミニバスで運行される[東01]が開通し、13輌でスタート。800番台が割り当てられた。

001〜099 貸切車
100〜399 路線車(ツーマン専用)
400〜699 路線車(ワンマン・ツーマン兼用)
700〜799 路線車(ワンマン専用)
800〜899 路線車(ミニバス専用)
900〜999 特定車

ツーマンバスの全廃(S53・F代〜)

 ツーマンバスが全廃され、100〜399はワンマン・ツーマン兼用に割り当てられた。

001〜099 貸切車
100〜699 路線車(ワンマン・ツーマン兼用)
700〜799 路線車(ワンマン専用)
800〜899 路線車(ミニバス専用)
900〜999 特定車

区別がなくなる(S57・L代〜)

 700番台もワンマン・ツーマン兼用車に割り当てるようになり、100〜799は全て大型車の枠となった。ちなみに本格的にワンマン専用車が導入されるのは、都営バス初の都市新バス[都01]用のM代車、一般車では昭和60年度のP代からである。なお、二階建てバスなどの特殊用途車は100番台の最初のほうに割り当てられたが、専用の番号だったというわけではない。なお、都市新バスはV代あたりまでは優先的に200番台が割り当てられていた。

001〜099 貸切車
100〜799 大型路線車
800〜899 路線車(ミニバス専用)
900〜999 特定車

中型車の登場(S59・N代〜)

 昭和58年にミニバスが廃止されて専用車も廃車となり、一旦800番台のバスは空きになったが、昭和59年度から青梅・八王子支所に導入された中型車がここの枠に納まった。

001〜099 貸切車
100〜799 大型路線車
800〜899 中型路線車
900〜999 特定車

様々な種類のバス(H1・V代〜)

 平成に入って深夜中距離・深夜急行といった中距離バスに参入、090台を専用に割り当てた。現在はどちらも撤退している。また、平成13年に開通した台東区循環バス「めぐりん」は、契約の関係か、一般車ではなく貸切車の枠での登場となったが、貸切車の連番から少々離れた020〜022が割り当てられた(現在は日立自動車交通に移籍済)。
 平成17年度に登場した江東区コミュニティバス「しおかぜ」用専用車のリエッセについては、S-N050の局番が割り当てられたが、この枠は小型車ということになった。ただし、現状はこの1両しか在籍していない。

001〜048 貸切車
050〜089 小型車
090〜099 深夜急行・深夜中距離車
100〜799 大型路線車
800〜899 中型路線車
900〜999 特定車